誉田哲也著、セブンティーン・エイティーンと続く剣道小説。

武蔵を心の師と仰ぐ「剛」の香織と、

お気楽不動心で楽しむ「柔」の早苗。

青春を剣道にかける女子高生を描く傑作エンターテインメント。


印象に残った部分を引用します。

「義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義、克己…集約すれば、

世のためを思い、他人を敬い、精進を怠らない…そういう心得に行き当たる。

最低、その3つを忘れなければ、人はどこでも、いつの時代でも生きていける。

逆に、その1つでも欠いたら、そいつに生きる資格はない。

社会に生きる人間とは、そうあるべきものだ」


「わたしたちは、それぞれ別の道を歩み始めた。

でもそれは、同じ大きな道の、右端と左端なのだと思う。

その道の名は、武士道。わたしたちが選んだ道。

わたしたちが進むべき道。果てなく続く、真っ直ぐな道―」


「武士道があるから、剣道は武道。それがなかったら、

剣道は暴力にだって、スポーツにだって、簡単に変わってしまう」


「剣道は、武道は、武士道は、相手の戦闘能力を奪い、

戦いを収める。そこが終着点。相手の命も、自分の命も等しい、たった1つの命」


「わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。

急な上り坂も、下り坂もあるだろう。枝分かれも、曲がり角もあるだろう。

でも、そんなときは思い出そう。

あの人も、きっと同じように、険しい道を歩み続けているのだと―」


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松樹剛史著の小説。

バスケットボールや野球、水泳などの選手を取り上げ、

そこに関わるスポーツドクターが描かれています。


1章では、バスケットボールと前十字靱帯損傷を取り上げています。

一般的に身体が柔らかいことは怪我の防止に繋がると考えられていますが、

柔軟性がリスクとなるケースもあります。



2章では、少年野球と勝利至上主義に触れています。

バーンアウトや障害をもたらす危険性についても考える必要があります。

リトルリーグのルールなどは始めて知る内容もあり新鮮でした。



3章と4章では水泳と摂食障害、ドーピングについて考えさせられます。

調子が良い、悪いといった時、トレーニング内容だけでなく、

他にも様々な背景があることでしょう。


健康やスポーツに関わる者として、

単純にトレーニング内容だけで判断することなく、

個別の様々な状況を把握・予測しながら対応していくことが必要だと、

改めて感じさせてもらいました。


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三上延著、『ビブリア古書堂の事件手帳4』、ついに出ましたね!

古書にまつわる謎を解いていくビブリオミステリ最新刊。

剛力彩芽さん出演のテレビドラマも始まり話題ですね。

今回は江戸川乱歩の作品が取り上げられています。



1章では『孤島の鬼』、第2章では『少年探偵団』、

3章では『押絵と旅する男』が中心となり、

ストーリーが展開していきます。

江戸川乱歩という作家の名前は知っていても、

こんなに興味深いエピソードがあることは知りませんでした。

また古書の面白さ、奥深さがとても良く伝わってきました。



謎を解く過程で、主人公が正解はするものの、

後から他の選択肢・可能性があったことに気づく場面があります。

ストーリーとは別に、この部分は非常に印象に残りました。

何かを判断していく時、

考えられる選択肢・可能性の全てに気付いた上で判断したことなのか、

または気付かずに判断し、たまたま悪い結果にならなかっただけなのか。

ここには大きな差があると思います。

出来る限り広い視野から考え、

少しでも良い判断をしていけるようにしたいものです。


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