阿古屋(あこや) | マイクと michi のブログ

マイクと michi のブログ

マイクはアメリカン・ショート・シルバー・タビーのメタボ猫。michi はマイクの「飼い主」兼「婆や」。大事なマイクを忘れて、イチローや高橋大輔に夢中になることがよくある。マイクの名前はマイケル・ジョーダンから。ネコとネコ的な男性アスリートに胸アツ。

10月24日

飼い主の michi、ここはネコのブログなのに不可解なタイトルを付けている

全然、美味しそうじゃないし

仕事が大変、大変とグチをこぼし続けているのに
休暇をとって、しっかり遊ぶ
そう、人生、楽しむのを止めないのが、僕の飼い主

僕は、腎臓ケアの療養食ばかりで、猫ライフ最大の楽しみを奪われているというのにネコ

飼い主が食べかけている納豆にまで、思わず鼻を近づける可愛そうな猫一匹目




で、阿古屋(あこや)

木曜日、茅ヶ崎の奥様と歌舞伎座へ歌舞伎隈取 歌舞伎座通いは、もう毎月恒例のイベント
奥様は桜色の和服で、michi はママが穿いていたリハビリパンツ叫び (だって、ウエストが.....)

昼夜とも盛りだくさんで素晴らしい舞台が続いたのですが

あぁ、これを観る機会があって良かったビックリマーク  間に合った!! と宝物を貰えた気分になれたのが
坂東玉三郎の舞台、あこや でした

「あこや」は遊女の名前oiran
もともと時代考証はデタラメなので、平家の武将に愛された遊女(ただし江戸時代の花魁、最高位の太夫の姿)が、源氏側から、男の落ち延び先を白状しろと拷問を受けるお話です

拷問と言っても、行き先を知らないというのが嘘でないなら、乱れることなく弾けるはずと、琴、三味線、胡弓をつきつけられる、人形浄瑠璃を基にした筋書き

役の難しさから言って、女形役者の文字通り「第一人者」でないと演じる事が出来ません
現在は、玉三郎ただ一人。玉三郎の前は中村歌右衛門ただ一人

以前、女形に関する発言について怒りに燃えた経験が

なで肩と体の柔らかさからでしょうか、自分は女形ならできるけどと発言したスケーターがいました

歌舞伎を知ってる者なら、あほかっ!と吐き捨てるレベル

今回の玉三郎の凄さを書き並べます

1時間以上、自らの力でお芝居を作り上げます。観客の視線を一身に受けて

琴、三味線、胡弓、そしてそれに合わせて謡いも、舞台上で披露します。口パクではありません

独演ではなく、舞台の袖で奏でる三味線や義太夫と競うように合わせます
これらの人達も、人間国宝並みの技量を持った一流どころ
旋律や間を少しずらせたり、被せたりしたながら深みのある音曲を作り上げます



花魁の衣装、一式で30キログラムを超えます
楽器を弾く時はさすがに打掛は脱ぎましたが、鬘だけでも4キログラム

楽器を弾く手元を見ずに、顔は観客に向けて、恋しい男を思う女性の心情を演じ切ります

胡弓はただ弾くだけでも難しい楽器ですよね
三階席まで、しっかり哀調を帯びた音色が届きました



もちろん、撮影禁止ですから、これらの画像は松竹提供の過去の舞台から

三曲の責めを見事に乗り切り、自由を得た玉三郎は豪華な打掛を纏い
息を乱すことなく(ゼーハーなんてもってのほか)流れるように花道を引き上げていきます

よく玉三郎について、生まれついての美しさなどと誤解されていますが

彼の姿かたち、つまりポジションの美しさは技術です
女形はとりわけ、このポジションを作ることが難しい
65歳の彼が美しさを見せる事ができるのは、凄まじい鍛錬を経た技術あってのこと
歌舞伎では、女形は男役よりはるかに苛酷で、体力、気力が必要

次に「阿古屋」を演じる事が出来る女形は誰でしょうか
玉三郎は意識して、菊之助と七之助を同じ舞台に上げています

今回も、先月の「仙台萩」に続き、菊之助と共演
4週間、目の前で演じる玉三郎の「阿古屋」を心に刻んだ菊之助

12月には七之助と共演音譜  この二人が玉三郎の芸を継ぐのでしょうか
ダークホースで猿之助か......と、歌舞伎ファンの夢も様々


あ、スケートアメリカが始まっていたのですねフィギュア・スケート
伝統芸能と違い、後継者という概念はないのでしょうが

それでも心あるスケーターにとって、高橋大輔の存在は決して消えないでしょう


最後にブログ主の美しい寝姿ラブラブ
えーと、右の方にふっくらと見えるのは、腹でございます。柔らくてボニョボニョ~音譜