春を通り越してあっという間に夏になりました。若葉が生い茂る様子で、桜があっという間に葉桜になっていました。
ゴールデンウイークと言われる連休やお正月は、浮足立つ人々やテレビ番組にしんどい思いをしやすい時です。しんどい思いをされるのは一人ではないことだけ知っておいてください。
私たちが数年にわたってやらせていただいているグリーフケアというかグリーフワークのお手伝いは、自助グループの形をとっています。
当事者同士が運営し、助け合うことが基本原則ですが、大切な人の死や喪失によって起こった、未来も見えない、今も定かではない状況(悲嘆)のさなかにいらっしゃる方々が、同じ立場の方々を探し出して、場所を決めてグループを作ることをされるのは難しいことなので、皆様方の先輩とか心理の仕事をしている者とか、志を持った者たちが集まって、お手伝いをしているのがひろの会です。
お顔を見ればうれしく思い、そしてやはりそのしんどさに思いを馳せると、早く回復されることを願い、お顔を見ない日が続くと心配をして、それでもよい状態であればと祈り、スタッフはそんな思いをもって参加しているのです。
自分に効果があったことを人にお勧めしたい思いを持つ方がよくいらっしゃいます。できればやめていただきたいのです。
悲嘆の中にいる方のすがる思いは本当に切実で、これがいいと言われれば何とかそうしたいと思われるのです。うまくいけばいいのですが、うまくいかなかったとき、勧めて下さった人を責める方はほんのわずかで、多くの方はご自身を責められます。
人には向き不向きがあり、正しいことやよいことがみんなに当てはまるわけではないのです。マスコミの方々は正しいことなら大きな声で言うべきだという論調をされます。
でも、正しいことでも言いたくない人、人の視線にさらされたくない人、プライベートの大切な部分を人に見せたくない人はいらっしゃるのだと思います。
私も臨床をさせていだだいていると、治療するという立場で判定というか、査定というかをしてしまいがちになり、少しでも実証というか、効果のあったものを早く実施して、少しでも楽になっていただきたいという焦りのような気持ちを最初のころは持っていました。
傲慢です。わかった気、できる気でいることが傲慢なのです。私たちは寄り添い、ともに歩むことしかできないのだということを自覚しなければならないのです。判定や査定は暴力なのだと思うのです。
皆様方のこころを受け止める場としてひろの会が機能するためにも、自分に効果があったことを話されることはしかたないですが、お勧めはぜひしないでいただきたいと思います。
ひろの会は自助グループです。心を開いて、いつもの場所、いつもの時間にお待ちしています。