上泉伊勢守兵法は、人のたすけに遺すものではござらぬ。進退ここにきわまったとき、一生一度の用に立てるものでござる。心にいささかなりとも正しからぬところがあらば、全ては無用のものとなり果たそう。くじけぬ心こそ、わが心とたのむ主でござる。