このドアの向こうから
砂が流れ出る
オパール色に輝く 時の砂が流れ出る
風波が うねり
うねり 舞い立ち
砕け 砂波を呼び
ひとり
動乱の波と 沈黙の砂漠に
抱かれた夜には
決まって
一頭の駱駝に乗り
果てしなくも 流離う その男と出会う
今まで 多くを捨ててきた
最後に残ったのは
この 情景
その男とは
その男とは 輪郭を持たないのだろうか
その男とは ぼやけたまま消えていくのだろうか