1977年3月、大学卒業後、一級建築士事務所では、建築構造設計<注1>・建築確認申請<注2>に、大手ハウスメーカー・不動産会社では、住宅(木造在来軸組工法<注3>)の建築意匠設計<注4>・建築確認申請・工事監理<注5>に携わった。
2002年5月、25年間のサラリーマン生活に終止符をうち、WING建築設計事務所を設立した。初めての仕事は、不動産会社の下請けで、そこで、建築士の名義貸しの実態を目のあたりにした。その年の秋、初めて欠陥住宅を調査する仕事に巡り合い、それに苦しむ住宅所有者と出会った。
2004年2月、僕は、50歳を迎えた誕生日の朝、天の声を聴いた。49歳11カ月30日23時間59分59秒まで、時間は無限でいつまでも続いて行くと思っていた。しかし、1秒過ぎて50歳になった瞬間、時間は、無限ではなく有限であることに気付いた。僕は、30歳ぐらいの時から身長÷2=体重という公式が当てはまるぐらい肥満であった。35歳の時に、医者から「脂肪肝でこのままいくと、肝硬変になり肝臓癌へと進んでいきますよ。減量しないと、長生きはできないですよ。」と言われたことを思い出した。39歳と49歳の時、ダイエットに失敗していただけに、僕には残された時間がないかも知れないと思った。残された時間を何に使えばよいのか。いや、何に使いたいのかと自分に問いかけてみた。27年間、住宅の設計・工事監理・アフターサービスなどの仕事に携わってきたことが走馬灯のように駆け巡った。僕の設計アイデアを喜んでくれたお客様の顔・かお・カオが浮かんできた。感謝の気持ちでいっぱいになり、目から涙が流れ落ちた。もう一度、お客様のあの笑顔・えがお・エガオが見たくなった。初めて欠陥住宅を調査した時のような、依頼者の途方に暮れた姿はもう見たくない。新たな犠牲者は、出てほしくない。いや、出したくないと思った。「こんな業界をこのまま放っておいて本当に良いのか?苦しんでいる人々を誰が助けるんや!」それは、自分自身の心の叫びだった。「それじゃー、これからどうすればええんや!」とさらに自分に聴いてみた。僕を育ててくれた住宅業界を改革することで、恩返しをしたい。これから家を買おうとする消費者やリフォームを希望する住宅所有者に専門知識が無くても、安心して家を購入し、リフォームを依頼できる業界に変えたい。
~続く~
<注1> 建築構造設計
建築物が自重、積載荷重、地震、風、積雪、その他の外力によって倒壊することの無いよう、設計を行う分野。意匠担当者と協同の上で、設計物件が構造上必要な耐力を備えるよう構造計画を立てたり、実際に構造計算を行い検証する立場であるが、超高層ビルや体育館など大規模な空間を要する建築物や、複雑な形状の建築物においては、全体の設計に支配的となることもある。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
<注2> 建築確認申請
建築基準法 第6条、第6条の2、第6条の3に基づく申請行為である。
法に定められた建築物を、あるいは地域で、建築しようとする場合、建築主は申請書により建築確認を受けて、確認済証の交付を受けなければ建築することができない。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
<注3> 木造軸組在来工法
木造軸組工法<在来工法>は、柱、梁と呼ばれる材料で木造軸組工法組み上げていく事が基本となっています。
これを軸組みと呼び、主にこれらの材料で地震や台風などに耐える構造となっています。
「住宅の評判ナビ」より
<注4> 建築意匠設計
建築物の形状・材質を、主として芸術的観点から決定していく分野であり、構造・設備などにおいて求められる機能を考慮した上で、全体の構成・形状の方針決定を主導し、建築物が社会や施主から求められた美観と機能を兼ね備えるべく設計を行う。 近年では建築意匠を完成後に建築写真という形で保存する傾向もある。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
<注5> 工事監理
施主になり代わり、施工が設計図書通りに行われているかどうかを工事現場で監督する業務を監理(工事監理)といい、通常は設計者(建築士)が担当する。(建築士法第2条、建築基準法第5条の4第2項参照)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
