真っ白なシーツに昼間の山里の
土くれの匂いがこもっている
さだまらない天気のせいだろうか
手持無沙汰なひとりの時間
遠い記憶が篝火のように
あのベランダで眺めていた街の灯が
こころに揺れて
戻れないあの頃が愛おしい
センチメンタルな青梅雨に映った
夜のもどかしさ

 

- ©Kanon -