暑いね。

あまりの暑さにいつも通りベッドで寝転んでた。

四畳半の狭い部屋。

わずかに見える外の景色。

僕は窓から見えるテレビのアンテナを見つめてた。

しばらくするとアンテナにトンボが止まった。

シオカラトンボだ。

たまに止まるんだよね。

このアンテナにトンボが。


トンボはじっと動かない。

僕の目もトンボを見つめたまま動かない。

お互いに動かない。


時々トンボが頭をクルクルさせる。

僕の視線もクルクル。

それでもどちらも動かない。


トンボが羽根を斜めにしてさらに休みの体勢。

そんなにアンテナが気に入ったか。

いよいよ本格的な休憩だな。


と思ったら、急に飛び立った。

あ、行っちゃったよ。

あっけないね。

ちょっと残念。


僕は誰もいなくなったアンテナを見つめていた。

そしたらトンボが戻ってきた。

アンテナに止まって羽根をバタバタさせてる。

なんか忙しそう。

でも、ホッとしちゃったよ。


それからまたしばらくお互いに動かなかった。


トンボは気付いたかな。

さっきから僕が見ていることに。

頭がこちらを向いてるような気がする。

きっと僕のことがわかるんだ。


トンボはこちらを見ながら羽根を休めた。

そしてまた頭をクルクル。

僕の目もクルクル。


またまたトンボは飛び立った。

今度はホントに行っちゃったか。

少しの時間だったけど楽しかったよ。

夏だけの短い命だろうけど

せっかく生まれたんだからどっかで長生きしろよ。


そう思ってたら、また戻ってきた。

こいつ、ホントにここが気に入ったんだな。

それなら好きなだけそこにいろよ。

お前さんだけの指定席だから。


僕はほんの少しだけ目を離した。

トンボはその隙にいなくなった。

ほんのちょっとの間、

本当に少し目を離しただけなのに

トンボはいなくなった。


また帰ってくるかな?

僕は期待して待ったけど、

もうトンボは帰って来なかった。

寂しいね。

僕はひとりぼっちだよ。

もう少しいてほしかったけどな。

でも、仕方ないか。

トンボも限られた時間を精一杯生きてるんだから、

僕なんかのわがままに付き合ってられないよね。


暑すぎる夏。

小さなトンボとの出会いは、

 

孤独な僕の心の隙間に、

ちょっとだけ涼しい風を吹かせてくれたよ。


ありがとね。

 


 


暑さ真っ盛り。
朝八時でもう30度もある。
考えてみれば一年で最も暑い八月。
これも当たり前か。


先週の土曜に医者に行ってきた。
いつもの診察だが血液検査の結果がわかった。
概ね良好だったが、特に目を引いたのが腎臓の数値。
大きく回復していたのだ。
通常、60以上推奨のこの数値。
ここ数年44まで落ちていた。(10を切ると人工透析)
だが、今回の検査で52まで一気に回復。
この数値はいったん落ちるとなかなか戻らないが、
しかし、奇跡的な数値の伸びに驚いた。
まだまだ元通りというわけにはいかないが、
今後を考えると有難い結果ではあった。
だが、今なぜ腎臓の数値が回復したんだろう。
生活環境は特に変えてないのに……

変えるどころか暑くて死にそうなのに不思議だ。

あとはカリウムの数値が落ちてたので注意された。

要は野菜不足です。

でもさ、医者は簡単に言うけど野菜は高いし、

僕の身体では料理も難しい。

僕の身体では料理した野菜を口に入れるのは簡単ではないのですよ。

検査結果で出ちゃった以上気を付けるけど、

僕だって美味しい野菜を誰よりも食べたいと思ってる。

お袋の芋の煮っころがし、懐かしいなあ。

もう一度でいい。

美味しいお袋の味、また食べたいなあ……(ノД`)・゜・。




昨日の朝。
いつもの早朝散歩。
四時過ぎに無人の住宅を歩き出そうとした。
その時!
なにやら変な音がした。
ブーンという機械的な音だ。
最初、老人ホームの施設音かな?と思ったけど、
この音はかなり近くで聞こえた。
本当にすぐそばだ。
どうやら市営住宅から聞こえてくる。
僕はそっと耳をそばだてた。
だが、元々無人の住宅だ。
機械的な音が出るわけがない。
それでも音は小さいが確実に聞こえる。
僕は辺りを見回した。
ボイラーやガス管など全て外してある空っぽの市営住宅。
どう考えても音などしようがない。
なのに機械的なブーンという音が確かに聞こえる。
幻聴ではない。
明らかに聞こえる。
この音、どこかで聞いたことがある。
しばらく考えた。
そして思い出したのだ。
僕はある空き家のトイレを見た。
次にトイレから伸びている煙突を見た。
先っちょのてっぺんまで見た。
そこにはトイレの匂い消しである臭突ファンが付いてた。
なんと、そいつが回ってるじゃないか。
だが?
この部屋の住人は五月に転居した。
とっくに誰も居ない。
なのに臭突ファンだけが回っている。
もちろんこのファンは電源が無いと動かない。
ということは、この空き家。
三か月も無人なのに電気が供給されている。
さらに住人が電源を抜いていかなかったので、
臭突ファンだけが回っていたのだ。
この辺りの電力会社は中部電力。
きっと中電が電気の遮断を怠ったのかもね。
それと住人の電源の抜き忘れ。
これらが重なって未だに臭突ファンは動いてる。
四年後には壊される住宅のトイレから匂いを排出してる。
誰も居ないのにファンだけがひっそり回ってる様を見て、
なんかさびしさを感じたねえ。



さて、最後のお話。
ある友達から故人を送る時に使う悲しい曲を尋ねられた。
どうやら葬儀に使いたいらしいが
適当な曲が思いつかなくて僕のところへ。
だが、そんなこと言われても僕も詳しくないし、
こういう変な相談だけはなぜか僕のところに来る。
まったく厄介だわ。
しかし、せっかくの友達の依頼だし色々考えてみた。
こういう時はやっぱり映画音楽だな。
様々なシーンに合わせた名曲がたくさんある。
もちろん悲しみの場面でもそうだ。
そこである曲を勧めた。
他にもあるのだが、色々勧めだしたらキリがない。
僕はこれ一本で推した。

「悪魔のはらわた」

映画が凄いでしょ。
別に観る必要はないですよ。
哀しい人造人間(フランケン)の話です。
スプラッター満載だし天下無敵のB級ホラー。
観終わった後の不快感は翌日まで続きます。
(これでも当時はテレビ宣伝が凄かったけどねぇ)

曲はとっても悲しくて葬儀にうってつけだから、

たぶん受け入れられるだろうけど肝心の映画が……

この曲で送られる故人。
「悪魔のはらわた」では気の毒とは思う。
ま、音楽に罪は無いのでどんどん使えばいいと思うけどね。

でも、参列者には聞かれない限り言わない方がいい。

知ったらきっとしかめっ面するだろうから(;^ω^)

 

 


それでは。

 

 


それにしても暑いねえ。

最近は寝る前に毎日エアコンを使ってるんだけど、
今月分の電気代の明細が出た。

先月の七月分はエアコン無しで約2800円。
今月の八月分は毎日寝る前の90分だけ使って約3800円だった。
ふむ、一日90分エアコンを使うと月に約1000円アップか。
大雑把に言うと30分で11円くらいかな。
だが、今月から国の補助があるので同じ消費量ならもっと安くなる。
それを期待してもう30分増しの120分使ってみるか。

しかし、全然気温が下がらない。
最も気温が下がる明け方でさえ30度だ。
日中は延々35~36度。
これが毎日続く。
とにかく一日を通して30度を下回る時がない。
裏のプレハブ住宅にいたときは最大39度くらいまで上がったから、
それに比べればマシだけどそれでも危険な暑さ。
まだ八月上旬。
ピーク時の今が最も耐える時期。
頑張らねば。

さて、
日中はどうやって暑さを凌いでるかって?
午前中は何もしない。
ただ耐えるだけ。
だが、グングン気温が上がる午後はそうはいかない。
扇風機と冷凍庫で凍らせた保冷材で身体を冷やす。
それでも足りない時は水風呂。
これを昼と夕方の二回繰り返す。
こうやって身体を冷やして無駄な電気代の上昇を防ぐのだ。

どうだ!この貧乏っぷり。
プロの貧乏。
貧乏のチャンピオン。
生活保護費の半分くらいで生活してる。
僕より生活費をケチってる人がいたら教えて欲しい。
(と言いつつ別に知りたくない)



さてさて、
今日は朝からエアコンのフィルター清掃。
大変なのはエアコンが高い位置にあること。
幸いベッド脇なのでベッドに乗ってフィルターを外せた。
だが、柔らかいマットはバランスが難しい。
転がり落ちたら大変。
慎重に慎重に作業を進める。
フィルターを外して早速台所へ。
買ってから三年。
初めての清掃なので手で丁寧に洗う。
洗い終えたらしばらく風呂場で干す。
猛暑ですぐに乾く。
乾いたらエアコンに設置して完了。
これでまた買った当初の涼しい風を送ってくれるはずです。



そういえば車のエアコンが壊れてたな。
車検の時、車屋で診てもらったらコンデンサーが壊れてるので、
修理費用はかなり掛かるとのこと。
だったら直さなくてもいいや。
元々エアコンは使ってなかったし、車自体買い物の時しか乗らないし。
でも、なんか寂しい(-_-;)
涼むより結露用に使いたかったな。
ま、この車も十年を超えた。
いつ壊れるかわからないし無用な修理はしないつもり。
車は動いてさえくれればいいのだから。



いつもお勝手の窓から眺める景色。
ゴーストタウン化した市営住宅。
名前も知らない草木だけが伸び続ける。
もう住宅の道を誰一人歩かない。
聞こえてくるのはヒヨドリとキジバトのわめき声だけ。
一日に二回ほど郵便屋のバイクが通る。
が、僕のところにはあまり来ない。
しかし、誰も住んでいない他の家にも用がないはず。
それなのに無人の住宅を駆け抜ける。
一体どういうわけなのだ?



今月は誕生日か。
この歳になると誕生日も特に嬉しくは無い。
でも、祝ってくれるのだけは嬉しい。
まだみんなはケンタで祝ってくれるの?
今年は特別暑いんだからさ。
無理に祝ってくれなくてもいいんだよ。
気持だけでいいからね。

ただし!

ケンタのクーポン券だけは欲しい!
タダでオリジナルチキンを食いまくりたい。
10個くらい食いたい\(~o~)/
くれるなら遠慮しないのでどんどん券を送って頂戴ませ。
 


今、携帯が鳴った。
相手は市役所。
市営住宅の担当部署からだ!
おお、ひょっとしたら希望の団地に空きが出たのか!
喜び勇んで電話に出た。
だが、話は南海トラフ地震に気をつけるように、との事だった。
なんだよ、そんな話かよ。

「もうそこの住人はハナブサさんだけ」
「大地震が起こったら老朽化した住宅は大変危険」
「逃げる時は大事な物を持って外に出る」

そんな内容だったが、そんなもんわかっとるわ!
わざわざそんなことで電話してくるなんて、
地震にかこつけて脅かしたいのかい。
早く解体撤去したいから追い出したいのかい。
この住宅に一人だけ残ってる僕が邪魔なのかい。
僕はもう慌てないと決めたので少々のことでは動かんよ。
早く出て行って欲しいなら僕が満足できる住宅を用意することだな。
それ以外は動かん。
これからの三年間。
僕は孤独に耐えてゴーストタウンに居座り続けるだろう。
日々、腰が重くなるのが自分でもわかる。
もう前のように一生懸命住宅探しに出る気力は無い。
三年経っても住宅が見つからなかったらその後も居座るかも。
すっかり気力が萎えてしまったのだ。

朝の散歩もやけに辛い。
腰も痛いしやせ細った右脚も思うように動かない。
同じコースを歩いても時間が掛かるようになった。
確実に身体が衰えているようだ。
南海トラフ?
来るなら来てみろ。
そんなもん怖くないわ。
もし、巨大地震が来たら!

その時は!

泣く˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚ 



それでは。