太ももを見つめた。そして太ももの奥に見える全てを見つめた。そこには今まで見た事のない世界があったのだ。
今日もパスタ。これで一週間ずっと同じパスタを食べ続けている事になる。だけども別に、特別パスタが好きなわけではない。パスタが楽なのだ。少なくともこの時の私はそう思い、疑う余地などなかった。オリーブオイルにケチャップと玉ねぎ、人参を入れて炒める。まだ野菜の準備は沢山ある。恐らくこの先も数日はパスタが続く予定だ。野菜が馴染んだところで待ち構えていたかのようにタイマーが軽快な音を響かせる。と同時に腹時計も音を立てた。この一週間のうちに私の体はパスタに反応するようになっていた。白く湯気の上がるパスタをフライパンにスライドさせソースと絡める。トングなんてお洒落なものは残念ながら持っていない。菜箸で慎重かつ大胆に滑らせていくのだ。
いよいよ完成という時になって急にお腹が機嫌をくずし始めた。私は慌てて火を止めトイレに駆け込んだ。腹痛のあまり大量の汗が流れ出す。それなのにこんな時なのに、ふとふと太ももが気になった。気が遠のきながらも自分の太ももを見たくて見たくて仕方がないのだ。そこでは間違いなく何かが起きている。