ベン・ハー ウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演の1959年制作「ベン・ハー」。 ローマ帝国時代、ユダヤの地に派遣されたローマ人司令官メッサラとユダヤ人貴族ベン・ハーの友情、そして二人の支配者と被支配者としての立場がやがて壮絶な復讐劇へと化する数奇な運命を描いた一大スペクタクル。 実物大に再現された競技場での戦車競争シーンの息を呑む迫力は1959年制作でありながら全くもって色あせておらず映画史に残る名作であり、俺が多くを語るまでもなく凄い映画です。 また、古代ローマ劇であるためか、まるで舞台役者たちが壮大なセットを背景に熱演を繰り広げているような印象を受け、人間ドラマとしても大変分かりやすく、約4時間の長編でありながら一気に鑑賞できるほどに面白い。 なお、キリストの生涯が交差して描かれていますが、その宗教観には少々時代錯誤を感じるかもしれない。 神の教えに導かれし者は病気すらも治ってしまうという表現は現代的宗教観とは異なり違和感を覚えてしまうが、映画が人々に夢と希望を与えていたハリウット黄金期の娯楽大作であることを考慮すれば大した問題ではないだろう。 アカデミー賞の11部門に輝いた映画ですが「馬たちにも賞をあげてもイイんじゃないの」と思ってしまう。 4頭連なって競技場を疾走する姿はカーアクションなどとは違った迫力感に溢れている。