この前、昔美容師をやっていたと書いたので、その辺りの話しをちょこっと…。


美容院に勤めてお客さんの髪をいじる最初の仕事はシャンプーです。
自分の髪は洗ったことあっても人の髪を洗ったことのある人は少ないでしょう。結構、初めは大変です。
もちろん先輩美容師の頭で練習させられますが、力加減が分からない上に髪の毛が絡みそうで恐る恐る洗っていると先輩から喝が飛びます。
「もっとシッカリと力を入れなさい!じゃがいもを洗ってると思いなさい!」
・・・・・新人美容師にとって、あなたの頭はじゃがいもです。


今は知りませんが、昔ストレートパーマで髪に塗りつけていた白いドロッとした液体は普通のパーマ液に小麦粉を混ぜたものです。
本当はストレートパーマ専用の薬があると聞いてましたが当時は何処の美容院でも小麦粉を使ってました。
多分、安く済むからだと思いますが、小麦粉はまったく害がないので問題はありません。天ぷらみたいですが。


客商売な上、女性の大事な髪の毛を扱う仕事なので、やはり結構キツイです。
男の俺は我慢しますが、客に泣かされない女美容師を見たことがないくらい。
立ち仕事で神経も使うので憧れて入ってきても続くのは半分以下でしょう。
俺も結局は5年で辞めました。


そういえば、喋れない・・・いわゆる聾唖のお客さんがいました。
見た感じは普通の30歳くらいの主婦で聾唖以外は何も問題はありません。
紙に書いて要望を伝えてもらうと、後は週刊誌を読んでいてくれます。
カットが終わり何気に肩の上に落ちた髪の毛を軽く手で掃ったら、小さくビクッとして手元の週刊誌から顔を上げました。
「耳が聞こえない分、触れられることには敏感なんだな…悪いことしたな」と思ったのを覚えている。