3学期(2年の夏学期)にある唯一の非必修科目。

(政治コースの人は刑法もか。)

今は3・4学期に一コマずつになったみたいだけど、おととしは3学期に2コマありました。


今年から太田教授・フット教授が二人で一度に授業するスタイルから、3学期は村山教授・4学期はフット教授というスタイルになってしまったので、私の経験は今年以降何の参考にもならないかもしれません。


パワポを使って二人で授業するスタイルで、

ここの部分は太田教授が喋り、ここの部分はフット教授が喋る、という感じでした。

フット教授の日本語はダニエルカールほどではないけどチューヤンよりは全然流暢でした。

パワポをレジュメとして配ってくれたりネットにアップしてくれたりするので、がりがりノートを取らなくてもいい法学部にしては珍しい授業でした。

当時はそのありがたみに気づきませんでしたが。


法が社会の中で実際にどのような働きを果たしているかというのを見ていく内容で、

ゲーム理論による分析や、日本と他国の法意識の比較、制度の紹介などをしていき、

弁護士・検事・裁判官の法曹三者がそれぞれ一回ずつ講演に来たそうで、

今思えば結構面白そうな気もするんですが


いかんせん法のタテマエも知らない2年生に法の現実はこうなんだよ、と言われてもあまりぴんとこないというか、興味が持てないというか。

実際私たちの一年前まで(つまり3年前まで)8学期科目だったので、法のタテマエを学び終わった4年生が取る科目だったわけです。

ほんと、4年生になった今ではすごく興味もあるんですが、

それはやっぱり法曹を目指す覚悟ができ、かつ法のタテマエを一通り習ったからであって、

8学期から3学期に移した意味があんまりわかりません。

民訴習ってからの方がわかりやすいと思うんだけどなー、ADRのこととか。


でも、2年生でも法曹を目指す決意がある人には適している授業だと思います。


成績は、あくまで太田・フット時代の話ですが、

受験者数は少なかったし、放棄者数も多く、そのせいか頑張って残った人には優しいという印象でした。

レジュメで見た話をつなぎ合わせて全ての問いに一応の答えを書いておけば単位は来て、

つなぎ合わせの技術しだいで優も優上も来る科目だと思います。

確か英語で答えてもよかったと思います。私は日本語で答えましたが。

レジュメにそのまんま答えがあるような問題だけではなく、でっち上げの力が要求される試験問題でした。

これも二年生の必修。

政治コースの第三類の人たちも受けなきゃいけませんでした。

東大の政治コースの人たちって何か法律もやらされて大変だよね。


石川教授はもともとは都立大にいた教授で、

私たちの代で初めて東大の授業を持ったようでした。

40そこそこのようで、「ジャニーズ系に見えなくもない」と評されていました。


彼は私が東大法学部で出会った教授の中で一番の学者肌だと思います。


学者肌としてすばらしいところ。

学者としてはかなり評判がいいらしく、彼のカールシュミットの研究はすごいらしい。

学会の新進気鋭の学者ってとこなのかな。

あくまで噂ですが。


学者肌としてかなり困るところ。

かなりのマイペース。

定時に始まったためしがない。

早くて数分遅れ、ひどい時は20~30分遅れでスタート。

駒場のぬるい空気の中にいたのであーこんなもんかと思ってたけど、本郷の法学部の教授は一限の授業では早くて8時29分、遅くて31分にはスタートするからね。20分ぐらいに教室着くともう教壇に座ってたりするし。

そしてその毎回数十分のロスのツケは学期末の補講期間へ。

2日で6コマという怒涛の補講を行いました。

まぁあまりにむりなスケジュールだったので、補講で扱ったところは選択問題にすると言ってくれたので、

呑気だった当時の私は補講に出ず、実際問題はありませんでしたが。

あと、学者肌のせいなのか、非常に声が小さい。

縦長な900番教室の後ろの方では完全に何を言っているのか聞こえない。

これは結構他の先生でも多いけど、石川先生が一番だった。

法学部はパワポもレジュメも使わずマイク一本の授業が多いんだから、せめて音響のクオリティを上げた方がいい気が。


あとこれは好き好きだと思いますが、学者肌のせいで非常に高度な授業をします。

司法予備校では聞いたこともないような説がばんばん出ます。

当時は初めて習う法律がこれって何なの!?って怒った覚えがありますが、今思えば判例通説をひたすら並べられるより興味深い授業だったような気がします。でも2年生にはやっぱりきつかったかな。



ちなみにその学者としての質の高さ故か、コアなファンが結構いる様子。

6コマの補講が終わったあとには花束が渡されたそうです。

授業後も毎回900番の前で固定ファンの熱心な質問を受けていました。



試験について。

聞き取れないので授業放棄してしまったものの、高度すぎてまともなシケプリがなく、そしてLECやいとまこのテキストでは太刀打ちできないことは明らかだったので、

単位が来る理由がないと絶望して後輩に来年のシケプリを下さいとメールしていた私に、

どういうツテだったのか数枚の論文のコピーが届きました。

それは石川先生が「憲法の争点」というジュリスト系の本に寄せた論文で、

財産権の領域についてのものでした。

2年生の自分にはかなり難解で読むのに苦労しましたが、「シケプリと違って本人が言ってるんだから、これを何とか理解すれば、この範囲だけは間違ったことを覚えないで済む」と思って頑張って試験に望んだら、

見事そういう系統の問題が出題され(3題中2題の選択で、もう一問は司法試験予備校の知識をフル活動して解答用紙を埋めました)、

無事に単位を取得できました。

むしろここまで授業に出なくて優が取れたのはこれだけ。

周りもかなり恵まれた成績が来ていて、

石川先生は学者肌なので成績認定は甘いようです。


あと、若いのに解答用紙が縦書きなのがびっくりでした。

今まで20ほどの法学部の試験を受けてきましたが、縦書きは石川先生と商法の江頭先生だけでした。

まずは二年の必修から。


このブログを思い立った理由が「学部成績が考慮されるロースクールを志望してるので割ときちんと授業に出たんだから、その授業情報を後輩に残したい」ということだったんだけど、

二年の頃はまだロースクール志望ではなかった。

だから授業には人並み(以下)しか出てなかったので、授業についてはとてもおこがましくて語れないっちゃ語れないんだけど、

一応あたしの持っているおおまかなイメージを書いておきます。

試験はきちんと受けたので、試験のことはわかるしね。


まず森田宏樹教授。


授業はあまり記憶にありません。

法学部の授業をナメていた当時のあたしは、内田民法を利用しているので試験直前に読めばなんとかなると思っていたので。

法学部の授業で唯一「演習問題」を配布してくれたのは覚えています。

当時はありがたみがわかりませんでしたが。

それについての解説授業もしてくれました。

やっぱり若い先生の方が教育熱心な気がします。


その「演習問題」に割と近い試験問題が出ました。

長文(10行近かったような)の事例問題と、判例の考え方の批判をさせるような問題。

救済措置としてなのか漢字の書き取りがありました。

「いしのけんけつ」を漢字にしなさい、みたいな。


成績の付け方については試験前に情報がかなり交錯していました。

森田教授は東大に来る前東北大にいたのですが、

東北大にいた最後の年に民法三部で六割不可を付けたという伝説がかなり広く知られていました。

(真偽のほどは全くわかりません)

そういうわけでわれわれはおびえまくって試験を受けたのですが、

ふたを開けてみれば不可の数は他の先生と変わらなかったと思います。あくまで自分の周りの感触ですが。


この先生からいい成績を取るには、

内田貴の教科書を読み込み、

重要そうな章をよく理解しておき、

下書きをきちんとしていろんなことを論じておくといいと思います。

たとえば一部の範囲なら、私たちの時には詐欺と錯誤、表見代理などを組み合わせた事例問題と、解除時や取り消し時の物権変動についての判例批判が出ましたが、

1部の試験で建築基準法を出した大村教授とは大違いです。

あと森田教授は予備校が結構嫌いなので、答練慣れの気配など見せず初々しく論じるべきことを論じておけばいいと思います。


救済措置の漢字書き取りが今後も続くのか分かりませんが、試験には基本を大事にする優しさを感じる先生でした。

結構需要があると思うのにネット上に意外と見つからなかった東大法学部授業評。

教養学部時代はあれだけ逆評定とかあったのに。


なので、後輩の役に立てばと思って自分が知っていることをネット上に残しておこうと思います。

mixiでやるのもへんなかんじなので、ブログを作ることにしました。


もちろん東大法学部の後輩が見てくれるとは限らないけど、もし誰の目にも触れなかったとしても、一生懸命本郷に通ったこの1年と数ヶ月の思い出を残す意味も込めて。