第55話 夜の世界
香織に麗樺へ誘われた事を話し、入らないかと聞くと前から暴走族に興味があったらしく、二つ返事でOKをしてくれた。
孝太郎にその事を伝えに行くと、まだ曇った顔をしていた。
孝太郎「俺…なんていうか………ごめん………」
無理矢理に麗樺に入らされたと思っている孝太郎は、下を向いて机をじっとみつめながら謝った。
ゆうな「別に良いよ…前から入りたかったし…」
入りたかったんじゃなくて、孝太郎と別れるのが嫌だったからという事が60パーセントくらいあったが、そんな事言えなかった…。
孝太郎「…………ならいいんだけど…………ごめん」
そう小さい声でつぶやくと、どこかにいってしまった。
いつもなら力いっぱい仕切っている孝太郎も、今日はどことなく元気がなかった。
少しおかしく思ったが、気のせいだと思い、香織と夜の集会のために備える事にした。
香織「なんか超楽しみぃ!!」
ゆうな「大人の世界って感じだね!」
まだ見たことのない未知の世界の集会に対して、怖くもあり、ドキドキしてる自分がいた。
喧嘩とかになったらどうしようとか、バイクで走って警察に捕まったらどうしようとか、色々な妄想が頭の中で駆け巡っていた。
私たちは学校が終わると、急いで香織の家に行った。
親には香織の家に泊まると嘘をついた。
香織の親は片親で、お母さんは看護婦をしている。
今日は夜勤なので、夜は誰も家にいない。
と言うことは、外にでても誰にもバレることはない。
約束の時間より少し前に香織と駅の裏に向かい、集会らしき物が開かれてる場所にいった。
夜の駅は、昼間とは違いイルミネーションでキラキラしている。
それは、憧れている大人の世界で自分が小6だと言うことを忘れさせてくれる。
日常の嫌な事でさえ、夜の世界は消してくれる。
アルバやラブボの袋を下げた真っ黒に日焼けをしているまだ幼いギャルや、当時アムラーと呼ばれる銀のメッシュに細い眉でギャルの走りのかっこいいお姉さん、ミーシャ帽と呼ばれる流行りの帽子を被ったお姉さん、GUCCIの靴を履いて派手なスーツ姿のギャル男。
私たちの知らない世界が今まさに目の前にあり、そのかっこいい大人の世界に胸が躍った。
キラキラしすぎて、何もかも許されるような、それでいて危険な夜の世界、一瞬にしてハマってしまった。
沢山の人で溢れてる人混みの中、唯一知っている愛さんを必死に探す。
するとあらゆる大人たちが声をかけてくる。
「君たちまだ若いね…2人で10万でどう?」
独りのスーツを来たはげたオヤジに声をかけられる。
香織「え?10万ってどうしたらくれるの?」
あまりにも若すぎる私たちには、まだ充分な知識がなかった。
その姿はキョロキョロしていて、大人たちの餌食にして下さいと言っているような物だった。
オヤジ「どうしたらって…ほらあそこにホテルあるだろ?あそこに行ってカラオケするだけだよ…」
ゆうな「カラオケするだけで10万?!!」
オヤジ「そうだよ~おじさんこんな良い話しないと思うけどなぁ…早く返事しないとほかの子に10万あげちゃおうかな~」
香織「カラオケ行く行く!!ね?ゆうな」
ゆうな「まだ約束の時間まで30分あるし行こ!」
小6の私たちにとって、10万はあまりにも大金すぎた。
10万という言葉に負けて、怪しいなんて事は1ミリも考えるスペースがなかった。
そして、私たちはラブホの存在すら知らなかった。
見ず知らずのオヤジに尻尾を振ってついて行く事にした。
本当に…何も知らなかっただけだったんだ…。
孝太郎にその事を伝えに行くと、まだ曇った顔をしていた。
孝太郎「俺…なんていうか………ごめん………」
無理矢理に麗樺に入らされたと思っている孝太郎は、下を向いて机をじっとみつめながら謝った。
ゆうな「別に良いよ…前から入りたかったし…」
入りたかったんじゃなくて、孝太郎と別れるのが嫌だったからという事が60パーセントくらいあったが、そんな事言えなかった…。
孝太郎「…………ならいいんだけど…………ごめん」
そう小さい声でつぶやくと、どこかにいってしまった。
いつもなら力いっぱい仕切っている孝太郎も、今日はどことなく元気がなかった。
少しおかしく思ったが、気のせいだと思い、香織と夜の集会のために備える事にした。
香織「なんか超楽しみぃ!!」
ゆうな「大人の世界って感じだね!」
まだ見たことのない未知の世界の集会に対して、怖くもあり、ドキドキしてる自分がいた。
喧嘩とかになったらどうしようとか、バイクで走って警察に捕まったらどうしようとか、色々な妄想が頭の中で駆け巡っていた。
私たちは学校が終わると、急いで香織の家に行った。
親には香織の家に泊まると嘘をついた。
香織の親は片親で、お母さんは看護婦をしている。
今日は夜勤なので、夜は誰も家にいない。
と言うことは、外にでても誰にもバレることはない。
約束の時間より少し前に香織と駅の裏に向かい、集会らしき物が開かれてる場所にいった。
夜の駅は、昼間とは違いイルミネーションでキラキラしている。
それは、憧れている大人の世界で自分が小6だと言うことを忘れさせてくれる。
日常の嫌な事でさえ、夜の世界は消してくれる。
アルバやラブボの袋を下げた真っ黒に日焼けをしているまだ幼いギャルや、当時アムラーと呼ばれる銀のメッシュに細い眉でギャルの走りのかっこいいお姉さん、ミーシャ帽と呼ばれる流行りの帽子を被ったお姉さん、GUCCIの靴を履いて派手なスーツ姿のギャル男。
私たちの知らない世界が今まさに目の前にあり、そのかっこいい大人の世界に胸が躍った。
キラキラしすぎて、何もかも許されるような、それでいて危険な夜の世界、一瞬にしてハマってしまった。
沢山の人で溢れてる人混みの中、唯一知っている愛さんを必死に探す。
するとあらゆる大人たちが声をかけてくる。
「君たちまだ若いね…2人で10万でどう?」
独りのスーツを来たはげたオヤジに声をかけられる。
香織「え?10万ってどうしたらくれるの?」
あまりにも若すぎる私たちには、まだ充分な知識がなかった。
その姿はキョロキョロしていて、大人たちの餌食にして下さいと言っているような物だった。
オヤジ「どうしたらって…ほらあそこにホテルあるだろ?あそこに行ってカラオケするだけだよ…」
ゆうな「カラオケするだけで10万?!!」
オヤジ「そうだよ~おじさんこんな良い話しないと思うけどなぁ…早く返事しないとほかの子に10万あげちゃおうかな~」
香織「カラオケ行く行く!!ね?ゆうな」
ゆうな「まだ約束の時間まで30分あるし行こ!」
小6の私たちにとって、10万はあまりにも大金すぎた。
10万という言葉に負けて、怪しいなんて事は1ミリも考えるスペースがなかった。
そして、私たちはラブホの存在すら知らなかった。
見ず知らずのオヤジに尻尾を振ってついて行く事にした。
本当に…何も知らなかっただけだったんだ…。