第4話 怒りの電話 | うちらのじだい

第4話 怒りの電話

私は家に帰った、精神的に疲れていてどうやって帰ったのか覚えていない。身体がやけに重いのは痛みがあるからじゃなかった。




「和樹だって転校生じゃん…」




心の中で何度も何度もつぶやく。




家のドアを開ける。




「…ただいま」




お母さんこんな私の顔見たら悲しむだろうなと思いながら呟いた。自分の娘が傷だらけになって帰ってきたら、普通の親なら心配するだろう…。


なんだか申し訳なかった、でももう和樹たちから逃げられなかった。


何度断っても、決闘しようと毎日待っているのだから。


「…あんた?!どうしたの?!!誰にやられたの?!」


軽く母はパニックになっている。


お母さん…ごめんなさい…ごめんなさい…と心の中で叫ぶのと同時に溜めていた涙が一気にこぼれ落ちた。でも、学校で転校生だからという理由で男子にやられたなんて言えない。だってそんなこと言ったら母は自分を責めてしまうから…。転校させたのは私たちの責任だと思いこんでしまうから。



「男子と喧嘩したの…」



私は母にそれ以上のことは言わなかった。と言ってもお母さんもそれ以上聞いてこなかった。



母は立ち上がると急いでどこかに電話した。



「もしもし、先生ですか?うちの子が傷だらけになって帰ってきんですけど…ええ、男子にやられたと言っているんですけどどういうことですか?!きちんと指導してくれないと困ります!!」



母はかなりの過保護だった。
なにやら担任の先生に電話している様子だ、かなり怒った口調で話している。どういうつもりなのだろうか…これは私と和樹の問題で先生との問題ではない。もうこれ以上問題を大きくしないでほしい!もうこれで和樹と決闘が終わり、明日から明るい学校生活が待っているのだから。



「ちょっとお母さんやめてよ!」



母はいくら止めてもやめなかった。



私にとって一番あり得ないことが起こった。



「明日学級会でクラス全員で話し合うことになったから」







母は確かにそう言った。