幼少時代の私のささやかな夢…。
家に入ると、『お帰り』って言う言葉を言ってもらう事だった。
小学生になった頃には、すでに両親は夜遊びで家にはいなかった。
幼かった私は、ただ淋しくて。
開かない家のドアの前で…うずくまり、寒さや、暑さ、雨や、風に堪えしのぐ毎日だった。
家があるのに、家の中には入れない現状。
鍵さえ貰えない私。
私は、何故ここで待っているのだろう?
春の夜中も、春風の強風も。
夏の暑さも、蚊の大群に襲われながらも。
秋の台風も、肌寒さも。
冬の凍える寒さも。
一人で堪えてた。
大雨、雷…。怖くて耳を塞いで、目を閉じてじっと待つ。
足が変な色に変色し。
感覚がなくなり。
目の前が、見えない。
感情がなくなる気がした。
近所の人が、見兼ねて夜まで家に入れてくれることがあったが。
それを父が知ると、父はその近所の人の所に怒鳴り込んでは、暴言を吐きすてる。
私は誰にも迷惑や、心配をかけないように、庭で毎日過ごした。
寒さや、蚊から逃げるために段ボールの中に入って。
小学一年で、ホームレス。
本当、情けなくて、虚しくて。
近所の家族の笑い声。
憎らしくて、羨ましくて。
食卓を囲んで、たわいもない会話を楽しんでいる姿。
私の夢の中でしか現れない本来の家族の形。
何故、窓とか開けてて、入らなかったのかというと…。
父親に怒鳴れたから出来なくなっていた。
『泥棒がはいろーが!』
私の体より、泥棒が大事。
そりゃ、そうだよな。
お金が大事な親だから。
そんな生活が私の心を凍りにしていく。