あなたと話せなくなってから私は地獄耳になった。
あなたに関する情報は、自然と私の元に入ってくるようになった。
今日は休んでいるようだ。
今日は少し元気がなさそう。
今日はトラブルがあってあなたが涙を流した。
そして、あの時はとにかく焦った。たまたま保健室の前を通ったら車いすに座るあなたの姿。今日は事故であなたが救急車で運ばれた。
私にとって大事なイベントの日、あなたは来てくれるつもりでいると周りの人から聞いた。でも結局来なかった。いや、来れなかった。今日はあなたにとって大切な人が亡くなったばかりの日。
地獄耳…大切に思うからこそ、あなたのことがとにかく気になってしまう。こんな私はおかしいのだろうか。いつも同じ場所にいられるのが当たり前だった3月までが恋しい。今は、その地獄耳もうまく発揮できなくなってしまったから…。