安易に「日常会話くらい」と言いたくない、言わせたくない。

・「土曜に声をかけてくれた1年で日常会話が出来るようになったお姉さんも週に2~3日は通っているそうです。今日はそのお姉さんがスクールへ来るそうなので英会話勉強法について聞いてきます!! 」」(某ブログ記事より)

・「一年で日常会話が出来るようになりました!」(よく見るキャッチコピーですね。その「出来るレベル」の基準は?笑)

・「日常会話くらいは出来ますか?」「日常会話くらいは出来ます。」と質問したり答えたり。

・某党の英語教育に関するマニフェスト:「中学卒業までに日常会話が出来るようにする」(10年計画)。

・「日常会話‘くらい’は話せるように」(上記の党代表の発言から)。

 英会話成果に関しての上記発言に共通することは何か?
「日常会話」と「日常会話の【基本表現】」ということの混同。
「日常会話」という言葉ほど、各人の英語レベルの違いによって語義の受け取り方が違う言葉はないのではないだろうか。    
日常会話にはどんな話題がどんなレベルで飛び出してくるか分からない怖さがある。以前パーティの席でインスタント通訳をした。英語で創作原点を説明し切れず難儀する日本人彫刻家と英国人建築家との橋渡しをしたのだが、偶然ガイド試験準備のため覚えていた事がそのまんま使えて、周りの英語学習者の皆様から尊敬の眼差しビームを(笑)ビンビンに感じて気持ち良かった(オイオイ笑)。
てなわけでお気楽通訳ごっこの範囲ならいいけど、正式に通訳の仕事となれば分野設定のない日常会話なんて怖くてビビるわぁ。

さて...
英語がからっきし駄目とか初心者が意味する「日常会話」というのは、「基本表現」とかいわゆる「場面別・状況別会話表現」のことであろう。「電話」「ショッピング」「空港にて」とかの。
かたや英語力のある人にとっての「日常会話」とは、まさに日常会話そのもの(笑)を意味している。これが過不足なく十分に出来るなんて「日常会話‘くらい’」の‘くらい’ では済まないのだ。ピンからキリまでなんでもござれが「日常会話」、だと思う。たかが日常会話、されど日常会話。

だから一般人が深く考えずに「英会話基本表現くらいは」の意味で使うのはまぁ譲歩しても(ホントはしたくないけどね。笑)、国家の教育プロジェクトとして官僚・政府・各政党が公に発表するにはもっと内容を明確に規定した表現を用いたほうがいい。と、思う(^^)。「基本表現」とか「状況別・場面別会話表現」とかってね。

上記政党に対しても、結果が目に見えぬ英語教育に関する達成目標を敢えて公言した勇気は大いに評価したい。が、マニフェストとして公に発表するには、今ひとつ用語選択と具体的実行策などに熟考・推敲の跡が感じられなかった。余談:その党の機関紙の各地方ニュース欄で、英語教育特区として小学校英語教育導入の金沢市を視察した記事を読んだのだが、手放しで褒めてるだけだったし...その金沢で小学生のお子さんを通わせる父母の不満や不安の声を聞いたことのない人は記事の賞賛をまんま信じてしまう...だろう、と思う。