
いつものベランダで息を吐く
それが紫煙かどうかもわからない
何も変わっていない31の冬
ジョークのような数字に絶望も希望も感じる
謎の高揚感はシングルグレーンのせいか
冷えた富士も悪くない
10年前のあなたを少し思い出した
御殿場に行くときにもう一度会っておきたい
いや、その必要もないか
私たちは分岐を遡ることは出来ない
あなたも私も、もう別の人かもしれない
君はどうなんだろうか
君はまだあの危うさを抱えたまま生きているのかな
西の彼方にいる君は
あの時、私に何を望んだんだい?
私は君がもう、私を必要としない彼方に行ってしまったと思っていたのに
私は私を生き長らえさせてくれる人を見つけてしまっていた
これは幸福なことなのか、不幸なのか
ただただ、彼女は私を救ってくれた
それを言えば、私なんかに関わった君もあなたもそうなんだけど
分岐は遡れない
2本目のミノンは身体に染みる
冷えた富士も悪くない
ただ31の身体に寒さはきつい
ではまた
