賑やかだった淀川の残り香を感じながら

くもりよぞらを眺める


南や西だの、村上春樹だと書いていたら

ちょうど良い小説を思い出した


国境の南 太陽の西


小説は現実を模倣する

また、現実は小説を模倣するんだろう


まるで自分のことみたい

読み返す手が止まらない


初めて読んだときには気付けなかった感触が

今なら手に取るようにわかる



久しぶりに彼女に会った

僕は彼女の恩義に報いなければいけない

そう、僕が生きているのは彼女のおかげなんだから


別れた後、大阪の街をひとりで歩いた

たくさんの人が居て、みんな生きている


どれだけの人がこの暗く深いところに居るのか


そんなくだらないことを考えては

嫌悪感と面影を思い出す


記憶力だけが取り柄なこの頭は

いつも通り君の顔を忘れさせる


触れたとき、それは少し僕に繋がったんだろう

君が抱えるいろいろなことが


僕は7年くらい忘れていた感情を一気に感じた

34歳の僕には酷なことだ


昔から読んでいた漫画の最終刊を読んだ

仕方ないことに如何に向き合って生きるかという

終わりだった


そんな強さは僕にないんだろう

ただただ女々しく生きているだけだ


君が言った 早く終われば良いのに


そう、それを僕も今思う


いつからか自分でない自分を演じ

演じる過程で過ごしたことを大事にする

それを成長と思ってもいたが

くだらないことなんだろう


誰も僕のことを知らないところに行けるなら

きっとそれが良いんだろうな

でも僕は帰れない



君は案の定な時間にメッセージをよこす

そういうとこだよ