実家の自分の部屋のベランダで

昔からいるヒゲおじさんをあおり

煙りを吐き出している

空は星も見えないけど

濁りはない

虫の音と室外機の音

実家にいる夜は思いだす

明け方まで話したことや

過去の過ちも

それらが現在を形成していることを

遥か西の空の暗闇を向いて

おもいにふける


この町も家も小さくなった

それは僕が大きくなったというより

町も家も確実に小さくなっている

少しずつ 確実に衰えている

そんなことに感傷的になっても仕方ないけど

この涼しさはきっとそういうところなんだろうな


目の前の暗闇に吸い込まれ

現在の全てを投げうってしまえれば

遥か西にたどり着くのかな

今更だけど