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そう、さみしさは鳴る


耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて


さみしさは鳴る


それはもうどうすることも出来ない


人と一緒にいる時も聴こえるようになって


そのせいで深い井戸にいる自分の音だけが響いて


誰にも届かずに消える




葉巻を吸うとどうすることも出来ない気持ちが湧いてくる



だから長いこと吸っていない


たまに吸いたくはなる


ここ数日は体調が良かったけど


吸わなかった


また波が来ることはわかっていた



吸ったら考えてしまう



だから吸わなかった


でもメールをしてみた


返ってはこない



最近はメールというのが怖い


メールが返って来ることがほとんどないのがこの携帯

鳴らない携帯


余計に孤独を感じさせる


いろんなものが要らない


ほんとに要らないものが多い





さみしさは鳴る





波が来ると雨の音が聴こえるようになる


実際雨なんて降っていない


さみしさは鳴りながら、雨音も鳴る



雨音が聴こえてくるといるはずのない声すら時々聴こえてくる



そんなに死んで欲しいならとっとと殺して



もうどうでもよくなってきた



生にしがみつく理由も薄らいでいる



実は最初からなくて


生きたいがために作り出した希望的観測な理由だったのかもしれない


それすら薄らいでいる



今死んだとしたら


誰が忘れないでいてくれるのかな



どうすることも出来ないし、どうでもいいことなんだけど