毎年 今頃は 忙しくてさ、


最寄り駅に降り立つ頃には 横断歩道のシグナルも ボタンを押さなきゃ感知しない。


走るクルマなんて ほとんど居なくて 眠ったシグナルのボタンを押す必要もないほどさ。



田舎の駅は ひんやりと冷えててさ、


樹氷が煌くみたいに 空に星が またたいてさ、


なだらかな坂を歩いていると 駅前のひとつだけの自販機の灯りも遠のいてさ、


みるみる暗闇が広がってってさ、


星がさ、いくつも いくつも いくつも 現れるんだ。



冷たい夜風を 胸の いちばん奥まで吸い込むと


星のきらめきや 夜風の水滴や 犬の啼き声や 遠くを走る列車の音までが


ちいさな ちいさな 粒子になって 


体に入ってくる気がしてさ。。



お隣から頂いた柚子を浮かべて


こどもたちと入った週末の風呂は 楽しかった。


週末ならば 一時間でも一時間半でも 家内が呼ぶまで 遊んでいるのだけれど


平日の風呂は まるで歯磨き、


あっという間だ。



あっという間に 日が暮れて、


あっという間に 冬が来て、


あっという間に 今年も終わりで、


あっという間に 新年だ。



新年が 来てくれるうちに、


明日が 来てくれるうちに、


夜が 明けくれるうちに、


大いに 楽しもうでは ないか。



きらきらと 輝く星を 仰ぎながら


冬が立つ頃の この寒くなる時期だって


僕は 大いに 楽しいし 好きなんです。