胸の奥に棲む鳩が


くっくっ くっくっ と


鳴くように


胸の辺りが締め付けられる感覚。。


この曲なんかを聴いていた頃が


僕の蒼い時代かもしれない。



想い出すと恥ずかし過ぎて、


もっと ずっと ほとぼりが冷めた頃に


こっそり 思い出して 静かに目を閉じて


心行くまで たいせつに じっくりと


当時の気持ちに浸りたいと 思います。


こころゆくまで はづかしく


こころゆくまで 純情に


こころゆくまで 身勝手で こわれやすい


たいせつな 記憶




【海を見ていた午後】

あなたを思い出す この店に来るたび

坂を上(のぼ)ってきょうも ひとり来てしまった

山手のドルフィンは 静かなレストラン

晴れた午後には 遠く三浦岬もみえる

ソーダ水の中を 貨物船がとおる

小さなアワも 恋のように消えていった


あのとき目の前で 思い切り泣けたら

今頃二人ここで うみを見ていたはず

窓にほほをよせて カモメを追いかける

そんなあなたが 今も見える テーブルごしに

紙ナプキンには インクがにじむから

忘れないでって やっと書いた 遠いあの日


by荒井由美