僕にとって棲む処は大事だ。

そこの水が合うかどうか..


生まれ育った町を離れてから、縁あって今の処へ..

今の場所が良いとか悪いではなく、されど好きには正直なれない様な、

そんな心持ちで暮らすのはまるで、好きになれない自分と暮らすようで、

案外つらい。


自分の居場所を見つけられずに、それでも朝になれば新しい日を、

それなりに過ごしていかねばならない、郷に入れば、の郷の流儀で。

あまり自分らしくないと首をかしげながら、それでも過ごしていく日々..


言葉も文化も違うのならば、いっそ外国へ行って棲みついてしまうほうが、

よほど気分も楽になるのでは?と思うほどに..

心から友達と呼べる人も見つからず、できることは

「明るいねぇ~、悩みなんて無いでしょ?」と言われる程、

自らを鼓舞していなきゃやってられないくらい、

心の均衡は保ちにくくて..


カルチャー教室やサークル活動に手を染めてみたり、

近所のコミュニティを手探りしてみたり、

もしかして、の思いから教会に通ってみたり...


思えば、無防備に心を許して楽しんでいるときは、なかったのかも。

いつも身構えて、一線を画すことで、弱いなりに自己防衛していたのかも。


やはり、此処に居ると、気後れてしまいます。

なんだか、場違いなような、なんだか居場所が見つからないような..


今の自分は仮の自分、仮普請、仮普請..と、思っているうちに、

もう何年も此処で生活していることに気づく。

淘汰されずに、まだ此処で、生きている。

気後れて、気後れて、されど、まだ..




【花】

花は流れてどこどこ行くの

人も流れてどこどこ行くの

そんな流れが着く頃には

花として花として咲かせてあげたい

泣きなさい 笑いなさい

いつの日にか いつの日にか

花を咲かそうよ

by喜納昌吉