ゆーりに断られて前みたいに美優紀と一緒に帰った。


うちの近くには小さな公園がある。

本当に小さくてベンチと砂場しかない。

だからそこの公園で遊ぶ人は滅多にいない。


毎日公園の前を通って帰る。

あれ?

いつもは人がいない公園に今日は人影があった。


えっ……あれゆーり??

一緒に居んのは……だれ?


ゆーりともう一人の子を見ていると、もう一人の子がゆーりな向かって手を広げた。


と思ったらゆーりがその子の胸に飛び込んだ。


えっ……


ショックだった。

ゆーりは私にしか心を開いてないんだと思ってた……


しかもあの子、女……


ゆーりの好きな人ってあの子なんか……


複雑な気持ちだ。


女が恋愛対象だったっていうのはよかった。

でも……


いままで好きになった人はみんな手に入れてきた。


だからこんな気持ち味わったことなかった。


今でも抱き合っている二人をもう見たくないという気持ちとは裏腹にショックで足が動かなかった。




「はぁー」


やっとの思いで家に帰った。


ピーンポーン


インターホンがなった。


はぁ、誰やねん


「はーい」


「さやかちゃーん!!」


美優紀!?


ガチャ


「彩ちゃーん!!」


「なに?美優紀?」


「来ちゃった!」


はぁ


「来ちゃったっじゃないわ」


「へへ」


「で?何の用?」


「そんな冷たい返しせんといてや〜」



さっきゆーりを見てからめっちゃイライラしてる。



「上がる?」


「うん!!」


美優紀と家の中に入った。


「お茶でええ?」


「うん。ありがと」




「はい……どうぞ」


お茶の入った二つのコップをテーブルに置くと美優紀の横に座った。



「今日お母さんは?」


「11時まで夜勤」


「そっか……」



私の両親は共働きでおとんは福岡に出張中。


おかんも今の時期は仕事が忙しいみたいで毎日夜勤で帰ってくるのが遅い。



「で?なんで来たん?」


「特に理由は無い。てか、彩ちゃんなんか怒ってる?」


流石幼なじみだけあっておみとうしだ。


「別に怒ってないで」


「いや怒ってるやん。迷惑やった?帰ろうか?」


「いや別にええって」


「…………」


「…………」


沈黙が続いた。


「なぁ、彩ちゃんの部屋行きたい」


「ん?私の部屋?」


何でやろ?


「うん。アカン?」


「いや、ええで。行こか」


「うん」


私はコップをお盆に乗せて階段を上った。



「おぉーなんか久しぶりやな。彩ちゃんの部屋」


「おお、せやな……あ、漫画読む?」


「う、うん」


「なにがええ?」


「ん?んー彩ちゃんのオススメで」


オススメ…………


しばらく私の部屋で漫画を読んだ。


「彩ちゃん……」


美優紀に呼ばれている振り向いたその時!!


「んん」


私の唇に柔らかいモノが触れた。