◆2004年 12月 1日 ~自転車旅日記より~

 

ミラノからカイロへ向かうアリタリア航空機は小型機であり、搭乗者も2~3割ぐらいでガラガラであり、なかなかこういう余裕がある機内で過ごすことがないので、もう少し乗っていたかったというのが正直な気持ち。

さてカイロには予定時刻2時15分より遅れて到着し、ゲート手前の両替所でビザ代を支払い印紙をもらい、空いているスペースに貼り付ける。サラリーマン時代の数年前にバックパッカーでエジプト旅行(カイロ、アレキサンドリア、ルクソール、アスワン、アブシンベルなど)をしていたので、二度目のエジプトVISAになる。

ついでにUS30ドルを両替(185.85エジプト・ポンド)。

係官にパスポートを渡すと、顔と写真をしばらく見比べられ、その挙句「ちょっと待っていろ」とパスポートを持って奥へ行った。

こういう時って、何もやましいことがなくても不安になるよね。

結局戻ってきて無言で入国スタンプを押して無言で投げるようにパスポートを返された。

感じ悪いがこういう係官の対応は、わりと各地であるので珍しくはない。

入国を終え荷物を受け取ったものの、まだ朝早くすぐ市内へ行くつもりはない。

明るくなるまで空港ロビーで待機するのが最良の選択。

長い時間ロビーのイスに座り、眠ったりしながら7時頃まで滞在し、朝になりタクシーで市内中心部にある有名な日本人宿でもある”サファリホテル”と”スルタンホテル”が入っているビルへ向かう。

タクシー料金の交渉は、当然最初はふっかけてくるもの。

交渉は50ポンドから始まったが、最終的に空港の入場料5ポンドを含め30ポンドで落ち着く。

正直これでもドライバーにすれば良い稼ぎになることは分かっているけど、私としてはこれぐらいは払ってもよいかな?という値段であった。

雑居ビルのような汚いビルに2軒の有名な日本人宿が入っている。

私は自転車などを含め50kg以上の荷物があるので、出来るだけ下の階がありがたく、2Fにある”スルタンホテル”に決めチェックイン。

受け付けは調子良さそうな兄ちゃんで、この宿の雰囲気は推し量れる。

ドミトリー部屋で1ベット8ポンド(約138円)

私の部屋は6人部屋で宿泊者は全て日本人で満室となった。

少し紹介すると、3人は私と同じような時期にここに来て、他の2人は1ヶ月ぐらいここに宿泊している男女。

挨拶がてら、しばらくお互いの旅の話しや情報交換などをする。

私がこれから進む予定の南アフリカ、マラウイ、モザンビークなどの話しが聴けたのと、日本で自転車に乗っている青年とも話せた。

自転車に詳しい彼が言っていたことで気になったのが、今回私が使用しているシマノ製アルテグラのハブのことで、ロードに使用なら良いが未舗装路などで酷使しながら走行するには、ハブが細く強度が弱いのでは?ということだった。

そこまで深く考えていなかったことと、シマノ製のハブで、しかもアルテグラなら問題ないと思っていただけに、彼にそう言われると、少し気になってしまう。正直余計なことを聞いてしまった感がある。

10時過ぎから在エジプト日本大使館へ向かう。

町の警官や通行人などに聞いて教えてはくれるが、分からないにも関わらず教えてくれたり、微妙に違ったりで変に混乱してくる。

そうだった。これがアラブ諸国では当たり前のようにある。

親切のようで実は不親切な結果になることも覚悟して聞かないといけない。

で、なんとかカイロセントラルビル内にある大使館に辿り着くと、先客がおり何かを頼んでいるようで、長く待たされた。

大使館の方とのやりとりは、防犯ガラス越しで話しをするので、何となく機械的に感じるものの、対応はいたって親切

自転車でアフリカ旅を始めることなどを伝え、ルートや通過国の治安について訊ねると、エジプト、スーダン、エリトリア、エチオピアの危険情報をコピーしてくれ、明日スーダン大使館でレターを渡すときに、南アフリカやマリ等、これから向かう国のものもコピーしておいてくれるとのと。

予想外に親身に接していただけ、気持ちよく大使館を後にでき肩の荷が下りた感じがした。

気分よく歩きながら、カイロタワーまで行こうと進んで行くが大通りを渡る煩わしさなどから、タフリール橋までで戻り、考古学博物館方面へ向かう。

近くにアリタリア航空オフィスがあるはずだったのでリコンファームがしたかったのだが・・・結局見当らず断念。

食料品購入を目的として、地下道を通ったり、タフリール広場から違う方面へも歩いてみる。

アブディーン宮殿近くまで歩き、戻りにチェックしていた商店で、食品類などを購入し、エジプトのファストフード”コシャリ”もテイクアウト(2番目の大盛りで2ポンド)。

宿に戻り、バイクの旅人や自転車に乗っていた人などと旅やメカの話しで盛り上がる。

夕方、チョロチョロと水圧の弱い水シャワーを浴び、待望の食事。

第2次旅アフリカでの最初のメニューは、コシャリン(Mサイズ)、トマト2個、キューリ2本、牛乳1杯、卵サンド、コロッケサンド、ジュース、オレンジ半個・・・・タンパク質が足りないよね。

この宿は座って食べるスペースが狭いので、部屋で本や情報などに目を通しながらいただく。

食後にこの日記をここまで書いているのだけど・・・非常に眠たくなったので、今日はここまでにして、使ったお金なども明日書くことにする。

おやすみなさい。