◆2004年 11月 30日 ~自転車旅日記より~
第1次旅南米走行を終え4ヶ月以上が経ち、ようやく次の旅へ出発できる。
第2次旅はアフリカ大陸を走ることに決め、治安情勢を調べザックリした走行計画を立てこの日を迎えた。
エジプトの首都カイロから南下していき、南アフリカのケープタウンを目指すというもの。
途中に巡る国々や走行ルートはその都度、情報などを元に変更していくつもり。
世界自転車旅で、最も厳しい旅になるであろうアフリカ走行では、事前に決めておくことは”無理をせず慎重に思いっ切り走る”ことぐらいだ。
さて、出発間際になってバタバタするのは、前回もそうだった。
確かスントの腕時計の予備電池を探すため車で店を巡ってもらった・・・で今回は、散髪の用具、ユーロ現金、温度計、小さな南京錠の購入と、腕時計の使用説明書コピー。
兄家族の暮らす京都から関空まで車で送ってもらい、12時過ぎには到着できた。
既に搭乗するアリタリア航空の搭乗手続きは始まっており、早速、緊張感を持ちながら荷物を受け付けカウンターへ持っていく。
エコノミークラスの機内預け手荷物の超過料金は出来るだけ払いたくないが、最低限の物は必要であり、私としてはもし超過料金を支払うとしても3万円ぐらいと勝手に決めていた。
ただここへ来る前に、荷物の重さは計測していたので、正規通りならとても3万円ではおさまらないことは明白。
だからどこまでの重さを許容してくれ、どれくらいの超過料金を請求されるかは、この受付カウンターの方にかかっているわけである。
受け付けの計測機に段ボールに分解し入れた自転車類とその他の物を詰め込んだリュックを載せると51kgと表示された。
計測していたので予想通りではあるが、それでも「うぅ~~」と唸ってしまう。
そして引きつった媚びるような微笑みを浮かべながら、受付の女性を見つめる。
そんな私にやや冷たく?「さすがに・・・この重さなら超過料金をいただかずには載せることは出来ないですね・・・」
あぁ~やはりそうだよね・・心のなかではそう思うが、ここが勝負であることは分かっている。
オーバーに困ったような顔をしながら「えぇ~そうなんですか~・・・困ったな、そんなに持ってないですよ・・」
「3万円ぐらいしか現金持ってないし、空港で買わないといけない物もあるし、困ったな~・・・」
低めで小さな声で訴えていると、私の小狡い作戦を見破ったか、超過料金は1Kgあたり7千円など何やら言いいながら提案してくれた。
リュックを機内持ち込み手荷物にし、段ボールの自転車のみを機内預け手荷物にすれば、超過料金は低く抑えられるとのこと。
機内持ち込み手荷物にも、大きさや重さの制限はあるが、確かに少々オーバーしても問題ないのだろうし、受付さんもそのように提案してくれているので、それに乗っかるしかない。
急いでリュック内に入れていたハサミ類など、機内に持ち込めない危険物等を段ボールの方へ移すと、超過料金は2万3千9百円であり、内心ホッとした。
その様子を外から見守っていた父母も安心した様子だった。
最後にもう一度ユーロを購入(約2万8千円⇒200ユーロ)し、搭乗ゲートの方へ移動する時間となる。
「とにかく無事に帰ってこいよ」
その言葉が緩んだ私の緊張感を高めてくれる。
手を振って見送ってくれている姿に”本当に、無事に帰国しなければいけない”と誓う。
今度家族と再会できるのは、旅が順調に進めば1年以上後になるだろう。
それまでのお別れである。
これからアフリカに旅立つ私ではあるが、家族の安全を願いながら第2次旅の出発地へ向かった。
関西国際空港⇒ミラノ経由⇒カイロ
為替レート:1USドル≒107円(キャッシュでのレート)
カイロ国際空港でのレート 1USドル ⇒ 6.195 エジプト・ポンド・・・30USドル⇒185.56 エジプト・ポンド