◆2004年 7月 4日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊1日目

 

8時過ぎサンパウロ到着。

1000km以上もの長旅であった。

大都市の割には、バスターミナルはそれ程大きくない。

早速、自転車の組み立てをして日本人宿”ペンション荒木”を目指す。

今日は日曜日なので、菊武さん(ウシュアイアの上野山荘で出会った方)の所へは明日立寄ろうと思う。

町人に何度か聞きながらセ―広場に到着。ここからは地図を頼りに歩いて探す・・・あった!

ペンション荒木は簡単に見つかりブザーを押し、日本人と分かるとすぐ中へ入れてもらえた。

オーナーの家族なのだろう。おばあさんとおばさんがいて2人と少ししゃべる。

1泊20レアル(1泊だけなら25レアルと高い)で、新館(と言ってもかなりボロいけど)に連れて行かれ部屋を見せてもらう。

どこの部屋もドミトリーで、1人の自転車旅人が泊まる部屋にした。

35歳のテツさんは、アフリカを走り南米へは1ヶ月前に来たばかりの関西人。他にも多くのバックパッカーが泊まっていた。

13時過ぎ、東洋街へ散策へ出かける。

何やら市が催されており、多くの屋台なども出て賑わっている。

日本語の看板も多く、日系人が多いことが伺える。

大阪橋の赤鳥居で1枚撮影。

食料品店には、豆腐や納豆なども見かけたが、あんぱんと、ごはんの佃煮のりを購入した。

 

●出費 7月 4

●あんぱん1.65、3.7、佃煮のり5.5、トマト(kg1.99)1.05、人参(kg0.74)0.14、ピーマン(kg3.79)0.81、玉ねぎ(kg2.49)2.31、米1kg1.89、鶏肉2.18、ジュース(2L)1.99、鍵デポジット10

計 31.22(合計 1106.92 R$

 

◆2004年 7月 5日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊2日目

 

朝は他の旅人は起きるのが遅いようで、食堂で昨日買ったあんぱんを朝食として食べる。

3.5レアルにしては美味しく、癖になりそう。

そうこうしていると、旅行者が起きて来て話しをする。

新しい旅行者も到着し同室に・・・神奈川県の同じ年の彼は、一度サルバドールで、パソコンやカメラ等の盗難に遭い日本に帰国し再び南米に戻ってきたエピソードを披露してくれた。

合気道を習っており、棒も護身のために持って旅をしている変わった旅人。

彼と昼ごろまで話してから、JALオフィスへ向かったらシエスタの時間になっており、仕方なく国際交流館へ向かうが、ここもシエスタの休憩中・・・明日にするか・・。

大型スーパーへ行き、久々に魚を調理して食べたいと思い売り場を見ているとイワシがあり考えたが、冷凍のカレイが3枚で3.48

レアルと格安でこれにした。

宿に戻りアフリカの情報ノートを貸りコピーをし、昨日に続き東洋街へ行き、またあんぱんやアンコなどを購入。

今日は空が雲に覆われ肌寒いね。

 

●出費 7月 5

●人参(kg1.85)0.96、にんにく(kg3.9)0.4、玉ねぎ(kg2.29)1.22、卵12個2.39、カレイ3.48、もやし(500g)1.2、アンコ(500g)6.6、あんぱん3.5、コピー1枚0.12×100枚

計 31.75(合計 1138.67 R$

 

◆2004年 7月 6日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊3日目

 

昨夜は同室の旅人のいびきで、睡眠を妨げられやや寝不足気味であるが7時前に起床。

お湯を沸かしあんぱん1袋の朝食・・・サンパウロでの幸せな朝食時間の定番メニューとなりそう。

今朝は、まずJALオフィスへ向かう。

入口でパスポート掲示、札をもらい事務所内へ通され、リコンファームを済ませる。

それからインフォメーションセンターでサンパウロ地図をもらい、国際交流館へも向かう。

入口でパスポート掲示、カードをもらい建物内ではそれを使い移動・・厳重です。

2Fの図書館では、受付が日本人で少しホッとしたが、入り口は施錠してる。

館内には、週刊朝日、文藝春秋などの雑誌、辞書類、ブラジル関係や日本の歴史、漫画(ドラゴンボール、ヒカルの碁など)もあり充実している。

漫画が簡単に読め手に取り読み始めると、はまってしまい14時頃になってしまう。

それから東洋街へ行き、情報にあった”赤星理容”で1レアルで散髪をしてもらった。

4人も待っており1レアルと格安なのに、割と丁寧である。ただ散髪中に横からおばばが、「日本人は坊主頭はダメだよ」などと余計なことを言ってきたので、笑って受け流した。

帰りにいつものように、3.5レアルのあんぱんを購入して宿へ戻る。

16時過ぎ、宿内は静かで数人しかいないよう。

 

●出費 7月 6

●散髪1、あんぱん3.5、ジュース(2L)2

計 6.5(合計 1145.17 R$

 

◆2004年 7月 7日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊4日目

 

いつものように7時には目覚め、食堂でお湯を沸かしながら今日の予定を考える。

とりあえず・・バスターミナルまで歩くことにして9時出発。

昨日の肌寒さはなく、暑いほどの快晴。

セ―広場を過ぎ更に歩き進むのだが、なんとなくだるく、どうせ今日リオデジャネイロへ向かうわけではないので、東洋街へ行先変更。

ウシュアイアで出会った菊武さんの事務所を探したが不在のよう。

自転車を飛行機に載せるための段ボールを探しウロウロするもないよう・・・どうしようか・・・帰国前までにパッキングしないといけないので、早めに探したい。

日本食材店で、もやしとあんぱんを購入し宿へ戻る。

再び外出し、日伯会館にある図書館へ行き、雑誌や漫画なども豊富にあり、16時半頃まで過ごす。

今日は、いつも以上にもったいなく過ごした日であった。

夕方、食事を作っていると、本館に泊まっている旅人が訪ねてきてくれた。

加藤さんでしょ、ぼくですよ

と言われたものの分からなかった。

ペルーのリマで同宿だったとのことだが・・・必死に誰だったか??思い出そうとしたものの・・・。

失礼しました。

 

●出費 7月 7

●あんぱん3.5、もやし(250g)0.8、トマト3個0.78、米1kg1.99

計 7.09(合計 1152.24 R$

 

◆2004年 7月 8日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊5日目

 

サンパウロの日本人宿”ペンション荒木”での生活も5日目にもなれば、生活習慣も形成され慣れて来る。

新たな旅人が来れば、宿の雰囲気なども変わり新鮮さもあるのだが、ここのところそれはなく、良くも悪くも落ち着いている。

同室の彼は、いつものように朝の体操をしている・・・ルーティーンのようだが、私には興味ない。

さて、こちらも朝のルーティーンではないが、朝食を摂ろうとお湯を沸かしているのだが、昨夜は話しをしながらお菓子を食べてしまったので、お腹は空いてなく、どうしようか迷いながら、お湯を沸かしたこともあり残っていたラーメンを食べた。

ついでに残っていたチョコも食べ、満腹になり外出。

行先は、昨日不在であった菊武さんの事務所・・・・だったが、残念ながら今日も不在。

どのも縁がないようだね。

宿に戻り、荒木のおばさんに段ボールや梱包用ビニル材などが、どこで入手できるか教えてもらい、ついでに世間話をするなかで、興味深い身の上話を聞いた。

荒木のおばあさんは、今から60年前に日本からの船(さくら丸)で、ブラジルのサントスに着き、そこから南の方の入植地に入り、綿花栽培をしながら貧しく過酷な生活をしていたとのこと。

昔はここブラジル以外にも南米各地へ、日本からの入植者が多く移民として移り住んでいたことは、知っていたが、こうしてそのご本人からその貴重な体験談を聴く機会は、滅多になくいろいろ考えさせられた。

どこで生まれたか、どの時代で生きたか、そういうことでも人生の時間は、大きく異なり、それは比べることの出来ないものと感じた。

今、私は南米大陸を自転車で走り終えているが、まだ世界自転車旅の途中、始まったばかりの私の時間のなかで生きている。

もしこの旅が無事終えられ、ずいぶん時間が経ってから、荒木のおばさんのように、思い出話として笑顔で誰かに語れる日がやってくるのだろうか?

どんな自分でいるのだろう?ちゃんと微笑んでいられるのだろうか?

深く考えさせられた時間であった。

さて、それから教えてもらった店で、梱包ビニルを7レアルで購入して東洋街で食材を購入し宿へ戻る。

体が鈍ってきたこともあり、スクワットや腕立て伏せなどをして体を動かす

 

●出費 7月 8

●菓子2.2、もやし0.7、ピーマン0.86、人参1.33、ジュース(2L)2.19、紐2、ナイロン梱包材(5m)7

計 16.28(合計 1168.52 R$

 

◆2004年 7月 9日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊6日目

 

サンパウロに来て初めての雨が降った夜でり、その影響で朝は肌寒く感じる。

今日は祝日ということで、町なかのお店も閉店しているとこが多く静か。

スーパーへ行くとき誠くんが後から来て、散歩がてら一緒にお店まで行く。

若い彼は、良くも悪くも、いろいろ難しく考えるようで、昨夜も彼の悩みを聞きながら「なら、こうしたらどう?」など時々私も自分の考えを話した。

アドバイスなど出来るほど私には立派な考えはないが、それぞれには個人の考えがあり、それが自身にも当てはまることや、何かのキッカケなどになることもあるので、いろいろな人の話しを聞くことは彼にも大切だと思う。

なので、今日もスーパーへ向かいながら、28歳の彼の悩みに耳を傾けながら歩いている。

大学を卒業してまだ就職したことがなく、どうも早く就職したいよう。なのにこうして地球の裏側へ旅に出てきている。

人にはいろいろ置かれた状況もあり、それは他から見聞きして分かる程単純でないことも多い。

だから、決めつけることのないよう、私も基本話しに耳を傾け、自分ならこうするなどの意見を時々言うぐらいに留めている。

にしても・・・・気力を感じられず、ネガティブな考えを聴き続けるのは、正直楽しい時間ではない。

早く自分の気持ちを整理出来ることを願うが・・・どうだろう?

宿の旅人で賑やかしい盛り上げ担当の大介くんがバルセロナへ戻り、少し静かになったものの、新たに2名のバックパッカーが到着した。

そのうちの1名はチリのビーニャ・デル・マルの汐見荘で一緒だった加藤さん。

南米を旅すると各地の日本人宿で、このようによく再会するものである。珍しいことではない。

さてさて私も少しずつ帰国準備をしないといけないのだが・・・自転車の分解を始めると、ハンドルが錆びついて外れず、とうとう諦めた。ハンドルはこのまま梱包することになる・・・うむぅ~~。

 

●出費 7月 9

●魚3匹2.92、玉ねぎ1.93、もやし0.8、米1kg2.08、あんぱん3.5

計 11.23(合計 1179.75 R$

 

◆2004年 7月 10日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊7日目

 

同室の加藤さんは、いったんチェックアウトして、また月曜日戻ってくるとのことで、皆それぞれの予定で動いている。

私は今朝は散歩へ出かけたが、ポツポツ降り出してきて、東洋街も雨の影響でいつもより人通りは少ないよう。

今日明日は”七夕まつり”が開催されるとのことだが、まったく水を差しているようだ。

11時ごろ宿に戻ると、雨で外出できない宿泊者たちが話しをしながら過ごしている。

そのうち大降になり、NHKを観ていたら停電にもなってしまった・・・・。

私も雨なので、帰国へ向け自転車のパッキングを行うも・・・包装用ビニルが足りないようで、再度町へ購入しに出掛けるも閉店していた。残念。

15時50分、ようやく停電が復旧した。

 

●出費 7月 10

●トマト0.8、もやし0.8、玉ねぎ0.58、ジュース(2L)1.97、ビニルテープ1

計 5.15(合計 1184.9 R$

 

◆2004年 7月 11日 ~旅日記より~

●ペンション荒木宿泊8日目

 

小降りながら雨で寒い日となる。

僅かに期待もしていた東洋街の”七夕まつり”も、長居する気にはなれず、11時ごろから、ブラジル日本文化協会の主催による”中平マリコ”コンサートを観賞してきた。

「さくらさくら」「五木の子守歌」「アヴェマリア」など、2部構成で2時間ぐらい。

席は日本人で埋まっており、私も気持が鎮まる気がして思った以上に、聴けて良かったと感じた。

宿に戻ると、新たな旅人が増えており、その仲には、エル・チャルテンで出会った青年もおり久々の再会。

またこの宿も賑やかになりそうだが、私は自転車は宿に預けたまま、明日リオデジャネイロへ行く予定なので、その荷物整理などを行う・・・・我ながら荷物が多さにうんざり。

 

●出費 7月 11

●人参と玉ねぎ1.07、もやし0.7、あんぱん3.5×2、菓子1.9×3

計 14.47(合計 1199.37 R$