◆2004年 5 月 13日 ~旅日記より

 

まさか!いや~油断していた!

カサ・デ・チーラ(チーラの宿)を出発し、プンタ・アレーナスへ向かって走り出し暫く進んでいて気が付いた。

そろそろサングラスをかけようと、フロントのハンドルバックに入れていたケースからサングラスを取り出しかけようとしたところ、レンズが少し変な状態であることに気付いた。

「うん?」

レンズは取り外し可能なタイプなので、外れたのか?と思っていたら違った。

レンズが上下逆に取り付けてあったのだ。

もちろん逆なのでキチンと取り付けられておらず、それで気が付いたわけだ。

誰かがサングラスをかまったということ。

私が荷物を預けトーレス・デル・パイネへ行っている間に、物色されたことを悟った。

「泥棒宿」の情報があったものの、親切な家主や家族との触れ合いで、まさか?というのが本音

今になり、私が予定より早くトレッキングから帰って来た日の、あの驚き方と、部屋を片付けてないと、すぐに部屋へ私を入れなかった理由がわかった。

トレッキングには、USドルキャッシュやトラベラーズチェックは持参していたので、金目の物はやられてなく、良かったと安堵したが・・・そうだ!これまで走行してきた国のコインと日本円をこのフロントハンドルバックに入れていたことに気付き、慌てて中を調べてみると、やられていた

日本円千円札1枚、5百円玉1個、百円玉2個、額は少ないが全てなくなっている

あと外国通貨は、チリのものが全てなくなっている

やはり情報ノートに書いてあった「泥棒宿」は本当だった

宿のノートには、日本人が良いことを書いていたが、たまたま盗難被害に遭ってないだけで、私の様にスキあらば盗難に遭うのだろう。

朝、仕事に出かけるチーラと握手をしお礼を伝えたのに・・・家族の誰かだけなのか、全員グルなのかわからないが、フレンドリーな家族経営の宿で良い気持ちで過ごせただけに、本当に残念である。

朝から消沈気分でペダリングすることになるとはね・・・。

曇天で無風で追風は期待できない。

プエルトナタレスに来たときの、あの強風はどこへ消えたんだ?

牧草地帯でペダルを踏みながら、牛や羊、インコを5倍ぐらいに大きくさせたような黄緑色の鳥をよく見かけた。

日暮れが早く今日は、14時半に川沿いで野営とする。

プンタ・アレーナスまで185kmぐらいの地点。

 

◆走行距離 65km ◆総走行距離(17630km/走行216日間)

最高時速 35.0 km/h

◆平均時速   12.3 km/h

◆時間   5時間 16分

 

●出費 5月  13日

●泥棒宿3000×3

計 9000(合計 271169ペソ)

1USドル⇒585チリ・ペソ

 

◆2004年 5 月 14日 ~旅日記より

 

雨はパラパラ程度だったが、寒暖差や湿度が影響しているのだろう、テント内も寝袋の外側も濡れてしまい少々困る

この中濡れ状態は、ナタレスの前ぐらいから続いている。

風もなくまだ薄暗い朝8時20分出発。

若干の降雨で走り出したが、結局今日1日降ったり止んだりだった。

手先が冷たくなるとビニル袋を手袋カバーにして走行する。

モロチコにある唯一のレストランに入り、水をわけてもらう。

そこの主人と少し、これからの走行予定などを話していると、「プンタ・アレーナスには明日行くので、この住所を訊ねて来なさい」と、私にメモを差し出してくれた。

そして、見送ってもらいながら出発。

泥棒宿でチリの印象が悪くなっていただけに、嬉しかった。

ゆるやかに上下するような道、周囲は草原や大牧場の景色がず~~と続く。

今日は走行中に転倒した。

少し頑張って漕いだ後に、下りとなり頭がくらくらするような、平衡感覚を失う状態になり、なんとか戻そうとしたがダメで、反対車線の路肩で転倒。

あの場合は、すぐに走行をやめ、回復を待つべきだった。

今回は大事故にならなかったけど気を付けよう

平衡感覚を失うことは以前も経験したことはあるが、今回は久々であり、栄養面などへの注意も必要なのだろうか?

プンタ・アレーナスまで120kmを切った地点で野営。

 

◆走行距離 68km ◆総走行距離(17698km/走行217日間)

最高時速 36.0 km/h

◆平均時速   12.7 km/h

◆時間   5時間 20分

 

●出費 5月  14日

計 0(合計 271169ペソ)

1USドル⇒585チリ・ペソ

 

◆2004年 5 月 15日 ~旅日記より

 

朝から霧に包まれ視界が悪い。

風がないとこのような状況にパタゴニアもなるようだ。

所々に晴れ間が見えるのが救いだが、結局13時過ぎまで、ず~~と霧の中でペダルを踏み続けた

霧のパタゴニア!

霧が晴れ周囲もわかるようになり、村があったので民家を訪れ水をわけてもらう。

草原地帯が少し開けたら、次は下りメインの勾配となる。

14時過ぎ、ガソリンスタンドがあり、近くで野営することにした。

プンタアレーナスまで50数km地点。

風は微風だが進路前方から吹いているよう、曇天でしかも寒い。

 

◆走行距離 69km ◆総走行距離(17767km/走行218日間)

最高時速 40.0 km/h

◆平均時速   13.8 km/h

◆時間   5時間 00分

 

●出費 5月  15日

計 0(合計 271169ペソ)

1USドル⇒585チリ・ペソ

 

◆2004年 5 月 16日 ~旅日記より

 

夜中は綺麗な星空が広がり、お~明日は晴れるぞ!と期待して起きたのだが、やっぱ霧でした。

昨日に続き霧に包まれる朝。救いは昨日ほど濃い霧でないこと。

しかし・・テントの外も内も濡れるのは仕方ないが、寝袋まで濡れるのだけは遠慮したい。

今日はプンタ・アレーナスまで走り宿泊がいいな。

また濡れ濡れキャンプは気が滅入るので・・・どうなるか?

朝から海側(左斜め前)から弱い風が吹いてくる。

ゆるく上り坂もあり、徐々にポツポツと建物を目にするようになり、町が近づく気配も感じる。

ニャンドゥなどの動物も目にしたので退屈ではない。

プンタ・アレーナスに着くと、予想以上に大きな建物などがあり、更に久々の信号機に変な感動をしてしまう。

セントロ(中心部)を目指し進み、そのままアルマス広場のマゼラン像と愛車「風子」を一緒に撮影しようと思ったら、工事で入れない。

警備のオヤジさんがに、写真を撮らせてくれと頼むが「ダメダメ、明日だ」と、けんもほろろ。

ケチなこと言うなよと、心の中で毒づくき、宿探しへ移る。

レシデンシアルFIY・・・セントロから随分離れている宿へチェックイン。

宿の人は、よく日本人が宿泊するようで、慣れており、部屋案内、自転車置き場、値段等の説明まですんなり進み、鍵を受け取る。

宿帳すら記入しなかったけど、まっ、いいか。

洗濯をして室内に干してセントロへ向かう。

大きなスーパーがあったが、米や野菜などは、やはり高目のよう。仕方ない。

日曜だからか町が静かで、平日はもっと賑やかなのだろう。

宿に戻り、おかみさんがいたので、ポルベニールへのフェリーの事やペンギンが見れれるツアーのことをリサーチした。

ペンギン・・・やはりこの時季はいないようで残念。

 

◆走行距離 56km ◆総走行距離(17823km/走行219日間)

最高時速 32.5 km/h

◆平均時速   13.7 km/h

◆時間   4時間 06分

 

●出費 5月  16日

●玉ねぎ(4個)541、缶詰425g375、米1kg425、ジャム500g845、500g679、卵(6個)445、パン531

計 3841(合計 275010ペソ)

1USドル⇒585チリ・ペソ