◆2004年 5 月 11日 ~旅日記より
夜中に雨が降り、テント内には雨水は入ってこなかったが露っぽい感じで、寝袋の外側が結構濡れている。
まだ星も見えるうちにヘッドランプを灯し再びミラドールへ向かう。
8時前、薄っすら明るくなってくると、トーレス・デル・パイネの3体の岩峰が周囲の岩色とは少しづつ違う色彩を帯びてきているのに気づく。
そして朝日を浴び、少し赤っぽいオレンジ色になりかける。
息を飲みながら見つめていると、3体のうち左側2体の岩峰が、まるでローソクに炎が灯されたように、先端から赤く染まっていく。
その幻想的な光景は、まるで生き物のごとく、瞬く間に姿を変えはじめた。
徐々に赤色からオレンジ色へ変貌する3体の岩峰の神秘的な光景を目にし、普遍的な地球の美しさに圧倒される。
今はこのミラドールでは私だけしかいない。静寂のなか私しか目にしていない特別さに、言いようのない優雅な刹那を感じる。
色の変化が終わっても、周囲の違う場所から角度を変えながら眺めたり、十分に満喫し、キャンプ場へ戻る。
良かった・・・・。
若干夢心地を引きずりながら撤収準備をしていると、テント外の避難小屋に置いていた食料の袋がネズミにかじられ穴があいているのを見つけた。
うかつだったね・・・卵や肉がやられていた。
昨日来た道を、オスラリア・ラス・トーレスへ向け歩く。
下りの方が、膝や足の筋肉に負担がかかるので、時間はかかるのはしょうがない。
それでも、今日でトレッキングは終えることにしたので、景色を楽しみながら気分はも晴れ晴れ。
今日はクリアな快晴でトレッキング日和、パイネ・グランデも遠くに見え記念に1枚撮る。
13時50分、オスラリア・ラス・トーレス前で日記を書いている。
その後シャワーを浴びスッキリして、バスに乗り込む。
遠ざかるトーレス・デル・パイネを目に焼き付けながら、「またいつか来れるだろうか?」そんなことが頭に浮かぶ。
今まで見たことのない神秘的に美しい光景だから、いつかもう一度目にしたいものだ。
チーラの宿に戻ると、玄関で若奥さんがオーバーなぐらい驚いていた。
まだ、部屋を片付けてないのよ・・・とのことで、”問題ないよ”と言ったのだが、やはりそこは宿なのだろう、ベッドメイキングなどをしてくれた。
鼻歌を口ずさみながら夕食を作っていると、日本の歌があると、以前の宿泊客のケイコさんという方が置いていったCDが2枚あり、かけてくれたが、若い女性が聴くような曲で好みではなかった。
ただそれでも久々に、日本の歌を地球の裏側で聴けたことは嬉しかった。
●出費 5月 11日
計 0(合計 257058ペソ)
1USドル⇒585チリ・ペソ
◆2004年 5 月 12日 ~旅日記より
このカサ・デ・チーラに泊まってもっとも静かな夜だった。
やはりこの季節でも、いつも夜に強風が吹き荒れるわけではないようで安心した。
キャンプ中に暴力的な強風の餌食になりたくないからね。
ぬくぬくの布団でゆっくり眠れ、9時頃下に降りて朝食。
自転車チェーンの油さし、ブレーキシューの再調整などを済ませスーパーに買い出しへ。
戻って明日の出発準備。
後で下へ降りると、マーシーはお腹の調子が悪いとかで、元気なくオモチャで遊んでいる。
昨日もそうだったが、チーラを見かけない。
ナンシーや旦那さん、マーシーはよく見かけるのだが・・どうしたのだろうか?
夕方、少し元気になったマーシーのお絵描きに付き合った。
彼と遊ぶのも今日で最後だから・・・少し寂しいな。
●出費 5月 12日
●トマト(4個)620、玉ねぎ(2個)210、パン430、ジュース粉120、その他2920
計 5111(合計 262169ペソ)
1USドル⇒585チリ・ペソ