◆2004年 4 月 14日 ~旅日記より

 

朝は風がなく穏やかで、起きがけ寝ぼけながら、一瞬どこにいるのか分からなくなるぐらい。

寒さもあり、なかなかシュラフから抜け出せない。

イスカ製のマミー型シュラフにミノムシのようにくるまれながら、アライ製のテント(ゴアライト)の薄い黄色の天井を眺めている。

それでも、8時40分には出発していたので、怠け心より旅への想いの方が、まだまだ強い。当然であるね。

今日のパタゴニア走行は、大きな丘(いや山かも?)が幾つもあり、押し歩く時間が長かったね。

この自転車の押し歩くことも、ここパタゴニアの未舗装路では、なかなかキツイ。

砂利道だと自転車も靴底も滑り、前進しずらいときが頻発する。

ズルッ・・・と言う感じ。

もどかしく、苦しくもある。

荷物が重いせいか?今日の風が前から吹き付けているせいもある?

あ~今日の進路は西へ向かう方角だった。

なんとなく朝から気分が下降気味だったこともあり、いつも以上にゆっくり進んでいるよう。

ジワジワと。そういう表現がピッタリな感じ。

野営は16時になってから行ったのだが、本音はもっと早めに切り上げてゆっくりしたかったのだが、区切りがなかなかつかなかったから。

農場のカサ・デ・ピエドラを過ぎてからの野営。

ペリト・モレノから80km地点。

テントを張り、ペットボトルで体を洗い、ちゃっかり農場へ水を頂きに向かう。

農場では、トラックのタンクから蛇口が出ており、そこから3Lわけてもらう。

「グラッシアス」

さてさて、今日はショックな出来事があった。

それは昼に川の水を飲んでお腹を壊したことではなく、昨日久々に履いて寝たフリースのあったかいズボンを落としてしまったこと。

さっきテント設営を荷物をテント内へ入れているときに気付いた。

あ~メンドーサでアコンカグア登山するときに買ったやつで、あったかかったのに・・・本当ショック。

これが舗装道路だったら荷物を落としたときに、音とかで気づいたかもしれない。

パタゴニアの未舗装路砂利や石ころの道だったから失ったとも考えられる。

こうなる必然だったのだろう・・・か?

これから寒くなっていくのに、どうしようか・・。

 

◆走行距離 33km ◆総走行距離(16721km/走行198日間)

最高時速 33.5 km/h

◆平均時速     7.9 km/h

◆時間   4時間 15分

 

●出費 4月  14日

計 0(合計 2386.38ペソ)

1USドル⇒2.83アルゼンチン・ペソ

 

◆2004年 4 月 15日 ~旅日記より

 

朝日が雲を紅く染め幻想的な時間は、ここ地球の裏側でもあるが、人々も動物たちも同じように目にしているのだろうか?

日本人の私には、建物などがない荒野では、空がとても広く壮大な自然がより特別なものに感じる。

そんなパタゴニアではあるが、悪路のアップダウンに自転車を降りて押し歩く時間が続く。

そんな状況なので、当然なかなか進めず何か腹だたしくい感情も芽生えてきた。

そんなときは、雄大な大地や景色に心を鎮めてもらえる。

今日は野生の馬だろうか?馬の群れをよく見かけた。

羊の群れのようにビクビクしてないので、脅かせられないけど。

優雅に走っているのは良いね。

あんな風に、こちらも進んでいけたら良いのにね。

今日の風は右斜め前から吹くことが多かった。

曇天ではあったが、夕方からは日射しもあり、明日の天気に期待ができる。

R41号線との合流する分岐点を少し過ぎた場所で、本日の走行を終えることにする。

ちょうど面白い枯れた木があったので、自転車も立て掛けられるので便利。

自転車スタンドは以前取り付けていたが、積載荷物が重いため、スタンドが折れたこともあり取り付けてない

なんとなく絵になる景色に1枚撮影。

風は強し、テントにフライシートを被せているが、大丈夫か?

 

◆走行距離 31km ◆総走行距離(16752km/走行199日間)

最高時速 27.5 km/h

◆平均時速     6.9 km/h

◆時間   4時間 31分

 

●出費 4月  15日

計 0(合計 2386.38ペソ)

1USドル⇒2.83アルゼンチン・ペソ

 

◆2004年 4 月 16日 ~旅日記より

 

ポツリポツリと、出発時から降り出した雨は、暫く続いたものの、バホ・カラコレスに着いたとには止んでくれた。

カラコレスには1軒のホテル併設のキヨスコしかなく、買い物はそこでするしかない。

商品は当然あまりないが、食料補給できることは有り難い

クッキー5とチーズ200gを購入し、ペットボトルに水をわけて頂く。

自転車旅では可能な限り、水は購入しないことにしている。

現地の水、井戸の水、川の水などで、今後も賄うつもり。

ただ冷たい飲み物が欲しい場合は、冷えた水を購入するかもね。

今日のパタゴニアの景色は右手に遠く雪山が見え、今後南下していくにつれ寒さが増すことが伺える。

そうは言うものの、上り坂が続き暑く、長袖シャツを脱ぎ、上半身裸で自転車を押し歩く。

山のような丘が何箇所もあり、その後ゆっくり下りが続き、風が弱く追風の条件で、久々にまともにペダリングができた気がした。

15時過ぎ、少し早いのだが、リオ・オルニエ(オルニエ川)で野営とする。

あまりキレイな川ではないものの、パタゴニア走行では水は貴重なので、体を洗ったり、米を研いだり利用させてもらう。

これからも、川があれば利用していかないと旅は続かない。

現地にあるものを上手に活用しながら進んで行こう。

 

◆走行距離 43km ◆総走行距離(16795km/走行200日間)

最高時速 27.8 km/h

◆平均時速   10.3 km/h

◆時間   4時間 09分

 

●出費 4月  16日

●チーズ200g3.95、クッキー5個8.8

計 12.75(合計 2399.13ペソ)

1USドル⇒2.83アルゼンチン・ペソ

 

◆2004年 4 月 17日 ~旅日記より

 

どうも最近、お腹が不調なのは、水のせいだろう

かと言って、綺麗な水があるわけでもないので、なんとかお腹もこの水に順応してくれるのを期待するところである。

出発して間もなく、ホテル リオ・オルニエがあり、そこでパンケーキを購入し、汚い水をペットボトルに分けてもらった。

そこの主人が、ここに日本人が来たことがあると、2枚の名刺を見せてくれた

そして、なんと日本の千円札、50円玉、5円玉も見せてくれ、こんなパタゴニアの片田舎で、日本の物を大切にしてくれている人がいることに嬉しかった。

気分よく走り出し、フラットな道が長く続いたが、風が右斜め前から吹き付け、時折、ぶち当たるように強さを増し、とても漕いでられず、自転車を降り押し歩いたりする。

最初から風のパタゴニアを、まともにペダリングし続けられるなんて思ってない。

15時過ぎ、この先まだ風が避けられそうな所がなさそうに感じたので、少し土が山のように溜まっている場所が、風の影響を最小限に抑えられると判断しテントを張る。

夕食準備時にMSR製のガソリンストーブが点火できず急いで分解して、掃除をを試み、なんとか着火してくれ安堵した。

薪などは周囲にもなく、もしMSRウイスパーインターナショナルが使用できなければ、米が炊けないところだった。

 

◆走行距離 46km ◆総走行距離(16841km/走行201日間)

最高時速 36.0 km/h

◆平均時速   10.3 km/h

◆時間   4時間 27分

 

●出費 4月  17日

●パンケーキ4

計 4(合計 2403.13ペソ)

1USドル⇒2.83アルゼンチン・ペソ

 

◆2004年 4 月 18日 ~旅日記より

 

夜から朝と、雨が降ったり止んだり。冷たい風も吹いている。

それでも雨の止み間をみて、出発準備をしようとしていると、前輪のパンクを発見してしまった。

見たくなかったトラブルを見つけ、天候へのマイナスイメージも増幅し、ついにこの日は、自転車旅で初めての連泊キャンプと決めた。

現金なもので、一度決断してしまえば、気楽に「今日1日ゆっくりできる」などと考えてしまう。

早速、パンク修理からと・・・あれ?パンク穴が見つからないぞ?どこかから空気が漏れているはずだが・・・。

とりあえず別のチューブに換えてしばらく様子を見ていると、また空気が抜けていた。

おっ?結局、何回か点検をしようやくパンク穴を発見した。

普段地面側の箇所に穴が開くのだが、今回はリム側の方に穴が開いていた。

タイヤにも刺さっている異物もないし・・・とりあえず様子見。

自転車整備もおこない、連泊テント生活?もそれなりにやることがある。

昼ごろには日差しもあり、夕方は風も弱い感じ。

明日の走行を想像しながら、風の強弱は気になるところ。

17時過ぎ少し早目の夕食とする。

肉は昨日に終了したので、サラミと玉ねぎをおかずにして、米を炊こう。食後はビスケットだね。

 

●出費 4月  18日

計 0(合計 2403.13ペソ)

1USドル⇒2.83アルゼンチン・ペソ