2003年 12 月 17日~旅日記より~
いよいよクスコへ向け出発。
いつもより早く発つはずがゴソゴソ準備していて6時45分になってしまった。
後に思えば、ここから歯車が狂い出したのだろう。
リアバックにホテルで汲んだ水を3Lづつペットボトルにいれたので6L。
それに走行中の飲み水として後ろにも1L用意したので7Lの重さが追加された。
ペダルを踏んでみると、やはり重さは感じる。
ナスカ郊外で600mLの水とパン15個購入しキャンプへ備える。
パンはこれで30個以上も積載したことになる。
しかし・・・甘かった!
わりと適地に地図を確認しての出発だったので、看板に「プーキョ 154km」とあったのだ。
予定では1日はキャンプで2日目にプーキョに到着予定としていたが、このペースでは早くても3日目で到着すれば良い距離。
テンションは下がりながら、それでも今日は60km以上は進む必要はある。
そして徐々に山道になってきて押し歩く時間が長くなってきた。
道端の標石はナスカからの距離を刻んでいるので何km進んだかサイクルメーターを見なくてもわかる。
陽射しが強くなり風も感じながら、そして山に風が遮られると暑さが増す。
似たような山の景色がゆっくりと何時間も流れる。
途中にトラックが停車し荷台へ掴まれとの仕草をしてくれたので遠慮なく掴まらしてもらうと、そこはタイヤ付近で危ないからと荷台の後ろにロープ結んでくれ自転車とも結んでくれた。
なるほどそれは有り難い!
と思ったのだが、転倒し引きずられたりで左ももを擦りむいたりでダメだった。
運転手さんは申し訳なさそうに、荷台との隙間に自転車も載せてくれるとのことだったが、こんどは丁重にお断りした。
親切な運転手さんには感謝するが、やはり誘惑に負け横着のようなことをするのは良くない!
なんて似合わない感情がわいてくるから不思議なものだ。
その後も通過するトレーラーやトラックがクラクション鳴らし「載せてやる」とオフアーしてくれるも、丁重に断り続けた。
自転車旅をしているのだから、やはり自動車に乗せてもらうのは違うよな。
13時過ぎ、かなり汗を掻き暑く、予想以上に水を飲んだとき、手持ちの水の少なさが不安になった。
この状態では水が足りない。
この先休憩できるキヨスコ(売店)やレストランは期待できなそうなので、一度もどりアレキパ方面へ行きプーノからクスコ方面へはバスで往復する行程が良いのでは?そう当初考えていたルートへの変更を迷いはじめた。
その後44km地点(ナスカからの距離)で道路清掃しているオレンジ服の2人がいて「この先レストランまで何km?」と訊ねると「8kmはある」とのことで、ずっと上りが続き更にまだまだ先も長いことを考え、決断した。
ナスカまで戻りアレキパ方面へ向かおう!
水の準備不足や上道への行程を甘く見過ぎた初めての敗走。
敗走の記念に1枚撮ってもらいUターン。
2人組も笑顔で「アディオス!」
今日のこれまでの苦戦と真逆の超楽な下り坂。
天候は徐々に曇ってくるが下へ行くほど暑さが強くなる。
ナスカに戻るとメルカド(市場)近くで10ソーレスの安宿にチェックイン。
部屋でとりあえず落ち着き回想する。
44km地点で引き返したけど標高は2245mを表示していたので1600m以上は上ったことになる。
13時15分である。
夕方は歩きなれた?ナスカの町を歩いていると夕日がオレンジで綺麗だった。
観光地なのでタクシーがやたら多いな・・・そんなどうでも良いことが頭に浮かぶのは、敗走から気持ちが切り替わったからだろうか。どうでもいいことだよね。
◆走行距離 88km ◆総走行距離(10583km/121日間)
◆最高時速 50.8 km/h
◆平均時速 11.8 km/h
◆時間 7時間 30分
●出費 12月 17日
●牛乳 2.5、ジュース 2、水 2.5、パン 1.5、ジャム 2.5、ホテル 10
計 22.0(合計 1292.1S/.)
※1US$⇒120円⇒3.44 S/.ソル
1S/. ≒ 34.9円
2003年 12 月 18日~旅日記より~
ナスカ再出発。
アレキパへ向かう道は向かい風の洗礼を受ける。
左手には山があるが右手には砂漠が広がる景色。
強く吹きつける時間もあり、久々に風に苦しまされるけど、昨日のように押し歩くことはない。
曇天でそう暑さを感じないことも昨日ほどの苦しさはない。
あのエクアドルから南下している義足のペルー人と再会しないか楽しみにしていたけど結局会えなかった。
さて、風に苦しまされながらロマスの分岐点へ着き、ベンチに座っていた男性にロマスまでの距離とオスぺダへの有無などを確認した。
「ここから7km」との答えに思わず「え~そんなにあるの~」と思いっ切り日本語で叫んだら男性も「・・あるの」と繰り返したので思わず吹きだした。
海岸方面へ7km進むとロマスに到着。
町人にオスぺダへの場所を聞くと「韓国人のキムさんのところ」と案内してくれたが、結局そこはオスぺダへではなく別の場所へ。
1軒目は宿主不在で、あとは20ソーレスの宿しかないとのことだが、案内してくれた女性に15ソーレスに値下げしてくれるよう頼み交渉成立となった。
それにしても・・・女性には本当に感謝しているが、この部屋のボロさで15ソーレスとは相場からありえない。
シンバニョ(トイレ・シャワーなし)は当然でコンクリートの室内に汚いベットがあるだけ・・・8ソーレスが相場だろう。
案内してくれた女性も20ソーレスと言っていたので普段からその値段だろう。
宿主に「本当に15ソーレスなの?」と訊ねると、ニヤリとしながら「そう!15ドルでなく15ソーレスだよ」と自信満々に答えたので、このズレに可笑しくなった。
シャワー、洗濯後、宿主にパン屋とメニゥーの食堂の場所を教えてもらい出かける。
またペルーで漁港を見たのは初めてで暫く眺めていると、魚が上がりアジのような小魚からシイラらしきもあり、多くの鳥やペリカンも遠目に魚を見ているようだった。
◆走行距離 96km ◆総走行距離(10679km/122日間)
◆最高時速 48.0 km/h
◆平均時速 16.0 km/h
◆時間 5時間 58分
●出費 12月 18日
●パン 0.1×20、水 3、昼食 3、ホテル 15
計 23.0(合計 1315.1S/.)
※1US$⇒120円⇒3.44 S/.ソル
1S/. ≒ 34.9円