つもりにつもったその怒り 国全体を包み込んだ


一護の国にある一つの酒屋、そこには一護に不満を持つ人々が集まっていた

いつもなら極少ない人数だが今日は多数の人々がいる

その中の殆どは今回の事件で不満を持った人々だった


「今回の騒動をどう思う」

「酷いとしか言いようが無い、あの国には何の恨みがあったのか」

「そんな事俺達が分かるはずも無い」

一護は国民達の憧れの存在だった

歳を若くして国を治め、賢く男のくせに可憐に美しく、笑顔の可愛い王子様

そんな一護に憧れや好意を持つものが多数いた


「我等は王子を許してはならない」

「王子を処刑するべきだ」

「…しかしどうすれば」


処刑に追い込むためには反乱を起こせばいい

だか兵士達に加え、イチゴには召使と大臣という優秀な家臣達がいる

普通に反乱しても返り討ちにあうだけだ


「…こんな噂を聞いた事がある」

「何だ?」

「王子は海の向こうにある国の王子、雨竜様に好意を持っているそうだ。しかし雨竜様は織姫様と婚約状態」


雨竜と織姫の婚約はこの国でも話題になった話だ


「そんな噂一体何処から…」

「風の噂だ、男が男に好意を持つなど…気持ち悪い」

「しかしこれが本当なら辻褄が合う」


突然の隣国への戦、亡くなった王女の織姫、全ては嫉妬へ繋がる

キィ…と酒屋の扉が開くと其処には居てはいけない筈の人物がいた


「雨竜様…!それに騎士の阿散井殿…!」


椅子に座っていた人々は床に跪いた


「そのような事はしないでください。皆さん…顔を上げてください」

「しかし王族で王子である雨竜様にそのようなご無礼は…!」

「気にしず顔を上げてください……僕にはそのような権限はもうありませんから」

「どういう…事ですか?」


跪き顔を下げていた人々はゆっくりと顔を上げ二人を見た


「僕は王子としての権力を棄てました、王との繋がりも断ち切りました」

「何故そのような事を…」

「復讐する為に」

「復讐…?」

「僕は一護を信じていた、でも彼は僕の大切な人を奪った。…僕は彼に裏切られた。

……今、僕は彼が憎い相手にしかないんです」

「雨竜様…」


雨竜の瞳は決意をしているが悲しそうな瞳をしていた

それほど2人の絆は深かったという事なのだろう


「この方はもう僕の騎士ではありません、一人の騎士です」

「俺達は一護を裁く権利がある。これだけの人数が怖いものは無い」


「王子に裁きを!」

『王子に裁きを!』

「悪の王子に裁きを!」

『悪の王子に裁きを!』


―狂った歯車は止まる事を知らず廻り続ける...




続く