FINAL FANTASY XV | 脚本家そごまさし(十川誠志)がゆく

脚本家そごまさし(十川誠志)がゆく

テレビアニメ、ドラマ、映画と何でも書くシナリオライターです。
24年7月テレビ東京系で放送開始の「FAIRYTAIL」新シーズンに脚本で参加しています。
みんな観てねー。

 

 

 「虎の威を借る狐」という言葉があるが、今の私は正にそんな「狐」の心境である。

 今日、話題の大作ゲームにしてシリーズの最新作、「FINAL FANTASY XV」がリリースされた。

 昔からアニメと実写の境目なしに仕事をする上、ゲームも依頼があればお受けするので、ちょっとしたご縁があってこの作品に参加させていただいた。このようなビッグタイトルに声をかけていただいてかなり光栄に思っている。

 なので、告知と販促のお手伝いである(笑)。

 

 私が担当したのはゲームシナリオの監修である。

 あまり裏話は書けないのだが、主に台詞やアクション・アイデアの微調整をした。微調整とはいえ全編に渡って相当に突っ込んだ監修はさせていただいたので、まずは興味のある方はぜひともゲームをプレーしていただきたい。

 

 日本のゲームは、もともとアニメ以上に海の向こうに行き渡っていて、このシリーズも長年多くの国々で愛されてきた。今回は初の「世界同時発売」で、その販売規模は巨大といっていい。

 近頃ネットを見ていると、こうしたクール・ジャパンのあれこれについて「本当に海外でも受けているのか?」とか「実態はそうでもないのでは?」といった意見に出会ったりする。確かにそうした面もなきにしもあらずだが、この「FINAL FANTASY」のように、紛れもなく世界に互していけるソフトが存在するのもまた事実だ。現場にいる者の一人として、それは実感している。

 そしてこうしたゲームソフトに関する現象の大事な点は、「もともと世界進出ありきで(そうした意図のもとに)展開してきたのではなく、国籍関係なしに高い訴求力のあるソフトを開発していた結果、海外でも広く受け入れられるようになった」という事で、これはジャパニメーションが今日の世界的な広がりを得た道程と同じである。

 このグローバル化の時代に、日本のゲームやアニメは、そうした世界的な潮流の中で戦っている。これは、現場にいる人間の一人として、純粋に誇らしく思っている事だ。

「せっかく作ったからには、できる限り多くのお客さんに楽しんでもらいたい。規模としては国の内外を問わない」

 というのが、我々現場の偽らざる心境なのである。無論利益追求の側面もおおいにあるが、それは現場の私たちにとっては二の次で、お国柄や習慣の違いによる些細な内容的制約を除けば、私たちの今の仕事に「国境」は存在していない。

 作業のハードルは高いが、やり甲斐のある時代になったと思っている。

 

 さあ。屁理屈はさておき。

 

 いよいよ発売になりました。

 

 ぜひとも、お楽しみくださいませ。

 

 全世界の皆様。