http://www.nuketext.org/mansion.html

記事抜粋:

消せない放射能

 使用前の燃料の放射能はウランによるものだけですが、使用済みの燃料には、核分裂生成物と超ウラン元素の放射能が加わります。原子炉から取り出した直後の燃料棒の放射能は、使用前の一億倍にもなります。(つまり核分裂生成物の放射能が非常に大きい。)時間とともに、放射能は低下していきますが、再処理される時点でも、(使用前の)十万倍以上とされています。ガラス固化体にしても核分裂生成物・超ウラン元素の壊変は続きます。安定な原子核になるまで、壊変は続きます。壊変を人は止めることはできません。ガラス固化体は、人類史上、自然界にあった放射性物質と比べると、桁違いに高密度の放射性物質の塊です。この放射能の害から人体を守るには、人間から隔離するしかありません。ガラス固化体の放射能が使用前の燃料棒と同程度になるには、少なくとも100万年はかかると考えられています。

 このままガラス固化体を高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに置いておくと、いつかキャニスター(外側の金属部分)が腐食して、放射性物質が出てきてしまうと考えられます。キャニスターが破損する前に、ガラス固化体を作り直す(包み直す)か、破損しても人間の生活圏に影響を与えないと考えられるくらい離れた所(例えば、地下深く)に捨てるしかないと考えられています。政府の方針は「地下深くに埋める(=地層処分)」です。(使用済み燃料の後始末のページ参照)しかし、政府の地層処分計画に対して、安全性を疑問視し、処分方法の再検討を求める声があります。既定路線に固執せず、原子力発電の負の遺産が後の社会に与える悪影響を最小にする方法を、追求することが求められています。
(注)ガラス固化体(表面) 製造直後 14000シーベルト/時(2秒の値である約7.8シーベルトは、100%の人が死亡する被曝線量に当たる。)、
50年後 0.01シーベルト/時(6分の値である0.001シーベルトは、一般公衆の年間被曝線量限度に当たる。)   
(注)ガラス固化体を作り直すことは今まではしていない。また、放射線によって貯蔵施設自体が傷むので、貯蔵施設もいつまでもは使えない。
(注)OMEGA 計画・・・高レベル放射性廃液の放射能を主要核種のグループに分離し(群分離)、高速炉や高エネルギー加速器による核反応によって、すべての放射能の半減期を10年以下にすること(核種変換・核種消滅)を目指す。地層処分の負担を減らすことが期待されているが、研究段階。原子核の構造を変えるためには、当然、大きなエネルギーを必要とする。