僕は、若いころ、ものすごく酒が強かった。
そして、結構、大量に酒を飲んでいた。
酒量を誇る人間がいて、飲み比べみたいに
なっても、大体が、こっちが担いで帰るほうだったな。
そのうち、「いつもいつも介抱するほうに回るから
ばかばかしいや」と思って、飲み比べみたいな
挑発には乗らなくなったけど。
実際、介抱するってバカバカしいんだ。
酔っ払ってるやつってのは、うるさいし、
威張るし、歩けないし、吐くし、金出さないし、
で、タクシーなんて、やっと乗せても、
寝ちゃったりして、行き先がわからなかったり
するし。で、ものすごく世話が焼ける。
で、もっと頭にくるのは、そうやって、
ヒトにさんざん世話をかけているのに、
本人が、全然、それを覚えてないことだ。
「おい!昨日、お前の世話、大変だったんだぞ!」
なんて苦情を言っても、
「へえ、そうだったの。」とか言って、礼も言わない。
で、くどくどと、昨夜の惨状を言っても、
「ふ~ん、だって、オレ覚えてないもん。」とか言う。
覚えてないんだから、世話になったなあ、
という感謝の気持ちも、迷惑かけたなあ、という
謝意も起こるわけがない。
で、こっちが、ああだった、こうだったと言い募ると、
なんだよ、うざい奴だなあ
って顔をもろにする奴も多い。
僕が、昨日いかに大変だったかを知っているのは、
あの名も知らぬタクシーの運転手さんだけって
ことになるが、もう会えないだろうなあ。
「タクシー代だって、俺が出したんだぞ!」とか
苦情を言っても、「そりゃあ申し訳なかった!
釣りはいいよ!」とか言って、素直に金を出す奴
なんかめったにいない。
たいていは、
「ええ、そうなの?おれ覚えてないんだけど」
とかぶつぶつ言って、自分が覚えてないのを
いいことに、適当に恩を着せてるんじゃないのか、
っていう疑惑丸出しの態度で、本当に、本当に、
しぶしぶ財布を出すのが関の山である。
酔っ払いの世話は、本当にバカバカしい。
で、最近は、僕自身、めったに酒を
飲まなくなってしまった。
ごくたま~に、なんか刺身のうまい店とかに
行った時、日本酒や焼酎なんぞなめるけど、
それは料理をうまく味わうためのもんで、
酒を飲むのが、目的ではない。
飲まなくなると、なんで、自分は、あんなに
毎日、大量に、酒なんか飲んでいたのか
が、実に不思議になる。
酒なんかのんでるヒマがあったら、
エッセイの1本、小説の1章でも書いてるほうが
楽しいからだ。
大体、酒を飲むと、飲んでる時間だけじゃなくて、
その日1日、へたすると翌日まで、使い物に
ならなくなる。効率悪いじゃんか。
酒の世界や酒の文化も、昔からさんざん味わって
きたし、そういうものに浸るのも、実にいいもんだ
とは、思うけど、ごくたまに、で、いつもいつもじゃなくて
いいや。
たとえば、何か、大きな仕事をやり遂げた後に
酌み交わす祝杯の一杯。
そういうものだけで、いいんじゃないかな。
僕は、そういうものだけでいいや。
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