「眠狂四郎」 第11話 「人肌蜘蛛」1968年 (市川雷蔵36歳)

 

 

[制作]監督:安田公義 脚本:星川清司

[出演]市川雷蔵:緑魔子:川津祐介:寺田農

 狂四郎は母親の墓参に甲州の村に立ち寄るが村はどこか荒廃し森にはカラスが群がっている。墓守の七蔵が語る森の奥に建つ館の主土門家武と紫の兄妹の非道な行いの数々。同じくバテレンの子に生まれた若者兵庫(寺田農)が捕らえそうになり狂四郎は身代わりに館へ向かう。館の地下牢に男や女達が監禁されており、兄妹は気の向くままに引き出し拷問し嬲り殺しにしていた。

紫(緑魔子)は狂四郎に興味を持ち裸身を晒して誘惑するが、狂四郎の冷やかな態度にあい激昂する。

 

 

紫らの攻撃を斥けからくも館を脱出する狂四郎に双子の兄家武(川津祐介)は郎党を率い執拗に狂四郎の命を狙う。腕に毒矢を受け意識を失った狂四郎は公儀御目付役都田に助けられる。

家武一味は再び村を襲い兵庫を人質に取り、狂四郎を誘き出すが…。

 

[続きはDVDで。緑魔子の紫が今までの女優さんと一線を画す妖しい魅力。]

 

私は本作を勝手に”初恋3部作”としました!? 何故か見れば分かるよ。まあ作品中のたいていの娘も武家の妻女もお姫様も玄人の姐さんもみんな狂四郎に♡になるけどね。

 

>本作の双子の兄家武は妹紫の怒りが狂四郎への興味にある事が面白くない。兄妹は将軍家の妾腹に生まれ江戸から遠い森の館に押し込められた生活を強いられて来たのだから。

(兄家武の川津祐介の目つきがワルそう残忍そう。他の作品でも雷ちゃんをイジメていたのう↓)

 

 

 

いびつな執着を家武は紫に向けたが、紫は狂四郎を知り何かが少し変わってゆき…ゆきかけたところで兄もろとも最後を迎える。

「眠狂四郎」シリーズ中きれいな女優さんも大勢見たけれど、ムードがあるというのか目つきや身体から発するのか、えも言われぬ…(そしてうまく表現もできない)ムードが漂う。これがなければ女優に限らす映画も作品も記憶には残らないかもしれないと思った。

劇中毒矢を腕に受け「これがおれが見る最後の空か」と狂四郎は空を仰ぐ…場面、もうこの頃は雷ちゃん自身体調が優れなかった事を思うと、この台詞はちょっと切なくなってきます。

 

<…以下日記…>この作品はほんとうに好きなのでもっといろいろ書きたいけどまた真夜中になりそうなので、またあとでいろいろ付け足すかも。”初恋3部作”のあと2本は「円月斬り」と「無頼控 魔性の肌」です。またUPしますから見てくださいね。