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お受験のためにやった方がいいことは何ですか？
このように、「お受験」という目標に向かって具体的にどこに向かって努力すればいいかを教えて欲しいと、３年保育受験準備を始めたばかりの御両親様からはご質問を頂きます。
白百合学園幼稚園では、知育考査もありますが、日常の生活体験や、これまでどのような親子関係を築いてきたかをご覧になる母子活動があります。
難しいですよね！
小学校受験のように、「ペーパーをやり込む」「巧緻性の練習を重ねる」など、何をどこまでやったらいいかの目安になるものがありません。
日本女子大学附属豊明幼稚園や、暁星幼稚園など、知育課題がしっかり出題される幼稚園では、数や記憶、模倣積み木など反復で乗り越えられる分野は、短時間でも、課題に取り組む時間をご家庭で作ることはもちろん大切であると思います。
そして、東洋英和幼稚園のように、ご面接でお子様に御質問もなく、考査も母子一緒で自由に遊ぶというような、お子様に何も課されない幼稚園の場合の準備はどうしたらいいのか。
「お受験準備」といっても、各園の考査内容の違いを見ると、何から始めたらいいか迷われるのも当然であると思います。
全く考査内容の違う園であっても共通して大事なことからまずは取り組めばいいわけです。
大事なことを一つに絞るとしたら、気持ちが切り替えられるかということであると思います。
白百合であれば、母子課題で楽しく作業している時に、終わりの合図で続けてやりたくても、気持ちを切り替えて終わりにしなければなりません。
豊明や暁星の知育考査であれば、初めての場所、初めてのテスターの先生の前で緊張が少しあっても、気持ちを切り替えて指示をよく聞き、知育に取り組めると良いと思います。
東洋英和の場合には、遊びの時に自分の使いたいと思っていた遊び道具をお友だちが使っていた場合に、気持ちを切り替えて楽しく遊べるか、また逆もあります。ご自分が遊んでいた遊び道具を、待っているお友達に気持ちよくお譲り出来るか。
考査の様々な場面で気持ちの切り替えが必要であることが分かります。
数や記憶の問題に取り組むより難しいとお感じになるかもしれません💦
気持ちの切り替えがうまく出来るようになるためには、今は諦めないといけないことがあったとしても、私の願いは、違う機会に必ず満たされるという確信がお子様の心の中にあることが重要です。
本来お子様はご自分の感情を抑えることが苦手です。
それは「今」を生きているからです。
先の見通しを立てることはありません。
しかし、日常生活の中でも気持ちの切り替えが必要な場面はたくさんあります。
お子様がやりたいことと、やらなければいけないことの隔たりをどう埋めるか、お母様は毎日ここに頭を悩ませていらっしゃると思います。
私は、お子様がワクワクするような声掛けを、お授業で気持ちの切り替えが必要な場面ではしています。
夢中になってやめられない時には、まず一回今の状況を一緒に見てみます。
例えば、粘土をしていて指示以外のお団子をまだまだ作りたいと言われた時です。
「さっきお願いした大きいお団子と小さいお団子、すごくおいしそうに出来たね。おいしくなるように、一生懸命おてての上でクルクルしてたものね。今日はお母さんうさぎさんと、赤ちゃんうさぎさんのおやつのために2つ作ってもらったの。
今度たくさんの動物さんが来る時は、いっぱいお団子を作ってもらいたいから、今はこれで終わりに出来るかな。」
今の状況をお子様としっかり一緒に見ること。
お子様の特性の「今」を大切に感じてみるのです。
まずそこで、「私、僕のことをちゃんと見てくれてる。」という安心になり、心の扉が開きます。
そして、今すべき指示はきちんと出来ていることを伝えます。
そうなんです。認めます。指示以外のことをしたから、認めないのではなく、やれたことは認めます。
さあ、ここからが今を生きるお子様にとって想像しづらい未来の話です。
ここで、ワクワクを入れます。
ここでやめても、もっと楽しいことがありそうという切り替えスイッチが入ります。
ちょっとの我慢、ちょっとの優しさ、それが上手にできたら、もっと楽しいことがある、素敵なお兄様やお姉様になれるかもしれない。
このことが伝わればびっくりするほどさっと気持ちの切り替えが出来ます。是非ワクワクの声掛けをしてみてください。
子育て、そしてお受験には、残念ながらなかなか近道が見つかりません。
でも、ちょっと疲れた時に、そっと手を差し伸べてくれる誰かがいれば、長い道のりもなんとか歩き切れると信じています。
私も、その「誰か」になれると幸せです。
今日も一日お疲れさまでした。✨