あの少女を思い出せない

記憶のなかの風景は仄暗い

一瞬の「たったひとり」が永遠になる

泣いている少女は
スカートだったのに

おかっぱ頭
薄汚れた綿の着物にスライドした

無音の黒い家屋のなかで
微かに差し込む光りは
ねずみがあけた穴