たのしいゲイせいかつ -77ページ目




水晶は丸く透き通っている。
琴が激しく鳴り響く。
戦火の中、振り落とされた剣の一凪ぎ。

川に桜が舞い散るわ。

薄桃色の流れ。
人の命が、母が、弟が、父上が
ひとひらの花びらのように、連れ去られてしまった。
誰に? あの、忌まわしい武士どもに?

いえ…時代に。


誰も恨まないわ。そういって血が出るほど口を噛んだ。

口で長い髪を噛みしめて。
恨んでいる。べったりとした、湿気。
濡れた長い髪の女ほど、妖艶で不気味なものはない。


これからの秋を思う。
紅葉の赤い色。
父上に貰った蹴鞠で遊んだ。
すべてはあの遠い、赤く染まった山に捨ててしまった。
戦いの終わりはあの山を越えて、すべて連れ去ってしまった。
許しの懇願が、あの山から流れて、この川へ。
桃色の花びらの便箋に載せて…