「最高の人生を送りたい。
だから、私、こんな年になっても、
こんなに色々学んでるんだよ」
という50代の女友達がいました。
私は私自身の人生を、
「まぁまぁ良い人生」
と今では思えるのですが、
大企業で安定した仕事をしており、
趣味も充実しているその友人を、
うらやましいと思うこともありました。
私が、
「あなたは割といい人生を送ってるじゃん!」
と、褒めたところ、
ピシャリと帰ってきた言葉が、
「最高の人生」 でした。
そりゃあ確かに、
彼女の人生は、
「最高の人生ではない!」
と言われれば、そうかもしれない。
しかし、いつまでもきれいで、
自由で、のびのびと人生を楽しむ彼女は、
私の目からして、悪くない歳の取り方をしている。
私はもしかして、
「この人は恋人や結婚相手にも、
最高を求めてしまうのかな?」
そんなことを考えてしまいました。
そして、私にとっての 「最高の人生」 は、
まあまあそこそこの人生のことなんだと、
自覚することが出来ました。
なぜなら、「最高」 を追い求めている限り、
いつもどこか、苦しみ続けてしまうからです。
そして、その追い求めている 「最高」 こそ、
一番掴みどころのない、厄介な迷宮に他ならないのです。

