
長かった梅雨が開け、すっかり夏模様の猛暑が襲ってきた。
仕事帰りにバイクで新宿Fu-に向かい、ライブだけ観てさっと帰った。相変わらず新宿は人出が多いが、海外からの観光客を見かけなくなったため、一時期の賑わいには遠く及ばない。客商売をしている人たちにとっては死活問題だろう。
飲食店では、「持ち帰りやっています」の張り紙が目につく。値段を見るとかなりお買い得と思われるメニューもあってそそられたが、バイクのシート下は異常な高温になるので、食べ物を積んで走るのはやめておいた。次回は断熱対策をして、買ってみたい。
ライブの方は、みんなネタをきっちり仕上げて来ていて、大満足だった。
銀兵衛は、ミートボールに違和感を感じるという漫才。微妙なセンスが伝わるか、という綱渡りのような話だが、その危うさが心地よさにも繋がっていて、見事な芸になっている。「イメージの中で調整しろよ」のくだりでは、心の中で「は、はいー」と返事してしまう。
ニッキューナナは、掃除の達人の峯くんが様々なセクハラを繰り出す、安定の下ネタコント。棒状の掃除道具(峯棒)の持ち手の先で、斎藤さんの胸のあたりを突くというくだりがあるのだが、不思議と手で触るよりいやらしく見えるものだなという発見があった。峯棒を斎藤さんにさすらせるというくだりがあって、そのときの斎藤さんのしゃがみ方が妙にシャンとしていて、やっていることと姿勢のギャップが可笑しかった。それと、全体的にテンションがとても高くて、見ていて心地よかった。
ニッキューナナは、なぜかキングオブコントの一回戦を通らない。はっきりとした理由はわからない。ものすごい数の組を審査する審査員からすると、出だしの10秒くらいで、落とす組は落とすと決めると思う。そうしなければ、疲れて見ていられない。逆に、出だしで安定した芝居をすれば、その先も見てくれる、もしかしたらそんな感じなのかもしれない。実際に観客として見ていても、こりゃダメだというのは、出だしの芝居でわかる。
ニッキューナナのコントは、意図的に出だしの台詞を棒読みにしているので、その辺ではじかれるのかも知れない。オダウエダははっきりとした下ネタだけど、一回戦通ってるから、それが原因じゃないような気がする。まぁ勝手な推測ですが。
ガクヅケは、木田くんの、かわいい男の子が好きという性癖をいじるコント。船引さんは、いい声をしている。ガクヅケもキングオブコント一回戦で敗退した。たまたま客席で見ていたが、なぜ落ちたのかわからない。ネタは、完全防音室のあるアパートのネタだった。
リップグリップは、永谷園のお茶漬けの素のおまけに付いてくる、東海道五十三次のカードを使って、遊戯王カードのようなバトルをする、という漫才。知識が確かで楽しく見られるし、熱量も高くて引き込まれた。ただ、自分の年代には、遊戯王カードがどんなものかまったく知らないから、パロディの部分は雰囲気で笑うしかなかった。これは彼らの責任ではない。
徳原旅行は、漫才師のオーディションの1人コント。ネタバレになるので詳しく内容は書けないが、師匠を慕う弟子が巻き込まれて人生を狂わされたというくだりが可笑しくて、頭から離れなかった。きっと普段からネタのアイディアを探してるのだろうな、と思わされるのもよい。いつもながら秀作。
ひつじねいりは、神社で願掛けをするために、やめたタバコをまた吸い始めようとする細田くんの話。そんな付け焼き刃ではなく、本当に好きなものを絶たなければ、願いが叶わないからと、細田くんの夢中になっているものを探そうとするが‥‥相変わらずうまい漫才で面白かった。
サスペンダーズは、ベタなお土産が出すに出せずに自爆するサラリーマンのコント。人も面白いし、筋立てもいい。依藤くんの厳しい感じがよくて、古川くんが引き立つのだなと思う。今年のキングオブコントの台風の目になること間違いなしと思っていたのに、2回戦で敗退してしまった。本当に謎だ。
この暑いなか、今月も2回公演で、運営のスタッフさんたち、演者の皆さんたち、本当に大変だと思います。感染対策も手間のかかる仕事で、頭が下がります。
来月も楽しみにしています。
ずいぶん前に変わっていたと思うが、写真を撮るのを忘れていました。