約20年間、どんなにこんな感じの地獄の時間があっても家を出たことはなかった


以前は、2日間ほどはドアの開け閉めが酷かったり、ドアや壁を殴ったり蹴ったりして穴を開けたり、あえて深夜3時ごろに「チャーハン作れ!」と電話してきたりはするが、だいたい3日ほどで落ち着いた


子供達もそれを知っている

息をひそめて日が過ぎるのを待っていた


でも今回は決断した

「家を出る!」と決めてからは早かった


31日の午後には、私の服8割程を売りに行った

45リットルの袋10袋分(その店舗に1日に持ち込める量の限界)を長男に手伝ってもらって運んだ


そのあとは、本、雑誌類を全て売りに行った


売るかどうしようか迷う暇はない


残りの私物はダンボールを10個買ってひたすら詰めた


マンスリーマンションは審査などもあり書類のやり取りもあるので早くても1週間かかるらしい。


でも待てない、待ちたくない


娘の学校に近い駅隣接のホテルに1週間宿泊することにした


ダンボールは近隣のトランクルームへ。


ここ1週間で必要な物はスーツケースへ。


9月3日(日)から宿泊


その日までひたすら仕分け、掃除


こんなにも彼の顔色をうかがうことなく行動したのは初めてかも


寝る間を惜しんでひたすら動いた

ずっとアドレナリンが出てる感じ


冷蔵庫の中は、アルコールと氷以外全部捨てた


代わりに、冷凍チャーハンや冷凍焼きおにぎり、レトルトカレーやパックご飯などを補充した



子供達と話し合い、ひとまず兄二人はこの家に残ることになった


兄二人は(今のところ)怒りの標的にはなっていないこと、今まで使いパシリとして使っていた私が居なくなるので兄二人に頼るしかないだろうから酷い扱いはしないだろうと予想(彼は四六時中酔っ払っているため出かけられないので食べ物の調達や家事は兄二人に頼まざるを得ない)


大学に通いやすいこともあるし、兄たちいわく「自分たちは普段大学あるし、親父は部屋から出てこないからほぼ接点ないから大丈夫。◯◯(娘)のためにも経済的にも二人で出たほうがいい。」とのこと


ありがたい。この子達のどこが「失敗」なのか。

こんなアナタを見放さない冷静な子供達。


兄二人のためにひたすら食品の買い置きをした

二人名義の通帳や国民年金のこと、パスポートなどわかりやすく引き出しに並べて説明しておいた


私名義と娘名義の通帳と印鑑、パスポートや保険証など手当たり次第に鞄に詰めた


家を出て行く日曜日が近づいてくると彼は時折涙をにじませながら、

「そんなに急がなくてもよくない?」と言う


なぜか私も涙ぐみながら


「いやいや、勢い!勢い!」


明るく言う


もうなーんの迷いもない

すっきりしてる

彼を恨んでもいない

本当にスッキリしていた


娘が「久しぶりにどうぶつの森しない?」

と言うのでSwitchを持っていくことにした


準備していると彼がきて

「電子機器はしっかり梱包したほうがいいよ」など

アドバイスをくれたり、なにやら洒落たコードを束ねるヤツをくれた笑



娘の学校の参考書類がとにかく重い

笑いながら車のトランクに乗せた


日曜日の午後、ホテルに宿泊するのでちょっとキレイめなシャツとパンツとロングジレを着てスーツケースを玄関に準備


娘もスーツケースに入りきらない通学用のリュックなどを持って玄関へ


前日彼に「出て行く時、俺が寝てたら起こしてな」と言われていたけど、珍しく朝から起きていた


初めて彼に見送られた

泣きながら

「じゃママと楽しんでな」

と彼は娘に言った


私もつられて泣きそうになったので彼の顔を見ないまま、ちゃんとあいさつをしないまま、

「じゃねー」

と家を出た