大人の自由研究/ROMA建築♡ | Living with little girls …絵本をよんで、おやすみなさい… in 香港

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インターで英中を学ぶ姉妹(2012.12/2017.3)の記録。バイリンガル育児での発見や驚き、迷いなど。のんびりやで読書家の長女(ピアノ)とワールドワイドな愛嬌を振りまく次女(バイオリン)。#帰国子女受験 #海外で子育て #香港でおでかけ


大人の自由研究、第2弾です。

娘が産まれる前の事ですが、母との思い出づくりに、ローマへ旅行したんです。


その時の建物を建築された順に並べてみよう、という試みです(*^^*)




Ⅰ.古代ローマ時代(紀元前2-6世紀)
ギリシャの古典文明を継承して発展させ、古代最高の建築文化を形成





パンテオン 紀元前25年、初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近によって建造されたものが最初。火事で焼失したため、118年から128年に掛けて、ローマ皇帝ハドリアヌスによって再建された。建物は、深さ4.5mのローマン・コンクリート基礎の上部に直径43.2m の円堂と半球形のドームが載った構造。




【所見】 コリント式のオーダーが三角屏風を支えている、まさに古代ローマ建築様式の建物。


Ⅱ. ゴシック時代(12-15世紀)

教会が権力を持ち、教会建築により力を誇示した時代。より高い建物を建てるために、壁が厚く、内部が暗くなった。

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会 13世紀に建築が着手され、ほぼ完成したのが16世紀末。その後、13世紀の身廊にカルロ・マデルノがバロック様式の要素を加えたことで部分的に印象が変化した。ステンドグラスの窓の多くは19世紀のものである。ゴシック様式の建築ではあるが、最良の芸術作品はルネサンス期のものが多い。




【所見】 青く塗られた天井が秀逸であるが、石造りボールト天井がうまくいかされており、ひっそりと暗い内部を広く、高く見せている。


Ⅲ. ルネサンス時代(15-16世紀)

古典建築の持つ秩序と形式美を追求し、シンメトリーと規律あるプロポーションをもちいることで、尊厳を示した。

ボルゲーゼ美術館 シピオーネ・ボルゲーゼが夏の別荘として建てたもので、1613年ごろ着工。完成は1620年前後。ルネサンス・バロック期のイタリア美術の優品が数多く伝えられている。




【所見】 線対称が美しく、水平方向を意識した女性的な佇まいは、いかにもルネサンス時代の建造物。



双子教会 1600年代に建設された2つの教会、サンタ・マリア・イン・モンテサント教会とサンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会を総称。敷地面積の違いを感じさせないように正円と楕円の丸屋根を載せている。




【所見】 二つの建物を線対称にしようとした試みが成功した例。細部を少しずつ変えながら、全体の印象を同じくしており、非常に面白い景観。


サンピエトロ大聖堂 現在の聖堂は2代目にあたり、1626年に完成したものである。ルネサンス時代、バロック時代を通じ、ローマ教皇にふさわしい巨大教会堂として再建され、当時の第一級の芸術家たちがその造営に携わった。








【所見】 "内装には、ミケランジェロやベルニーニが加わっており、荘厳なバロック様式で、天井、柱、壁面など、すべての要素において、装飾が施されており、彫像と分かちがたく結びついている。建築自体はルネッサンスの影響が強く、全体で見れば、折衷スタイルといえる。"


Ⅳ. バロック時代(16-17世紀)
彫刻や絵画、家具などの諸芸術が一体となった総合芸術となっていることを特徴とし、これらは建築とは不可分の要素であった。

トレビの泉 元々は古代ローマ時代に皇帝アウグストゥスが作らせたもので、ヴィルゴ水道(乙女の水道の意)の終端施設としての人工の泉が場所を替えた後、今の位置になった。その後、教皇クレメンス12世の命によりローマの建築家ニコラ・サルヴィの設計で改造、彼の没後の1762年に完成した。




【所見】 迫力ある群像がならぶさまは圧巻。オーダーはコリント式の柱頭であるが、胴部分に彫がされておらず、現代的。大理石による白さもとても美しい。


バルベリーニ宮 1625年にマデルノにより設計され、ベルニーニが後を引き継いで建設されたバロック時代の代表建築のひとつ。門のポールなど随所にデコラティブな装飾が施されている。





【所見】 ボルゲーゼ美術館と比べても、窓が多く、新しさが感じられる。壁面のオーダーは階によって柱頭の形が異なり、コロッセウムを意識しているようにも見受けられる。


カンピドーリオ広場 ミケランジェロにより、複数の異なった形の建物を、ひとつの明快な対称軸線上に統合することで、建築史上初めてバロック的広場を創案した。 広場の建設が始まったのは1538年のこと。広場中央にマルクス・アウレリウス像をラテラーノの丘から移設し、台座はミケランジェロ自身がデザイン。






【所見】 実寸以上の威厳と広がりを感じる広場。特に、計算されつくした、階段から広場に出た時の、晴れやかさは素晴らしい。

スペイン広場 (トリニタ・ディ・モンティ教会) 設計はフランチェスコ・ディ・サンクティスによるもので、1725年に完成。波を打つような形態はバロック的な効果をあげている。





【所見】 ややオベリスクが唐突な感があるが、H型のような対になった尖塔が珍しく、ユニーク。


まとめ 一堂に見ると、どれも時代を感じさせる建物であるが、細部に新旧の要素が混在し、独特の文化的風景を生んでいることがよく分かった。美しいと目を奪われるものには必ず背景があり、今後、邸宅、教会に訪れる際に、積極的に観察していきたいと思う。



参考文献 テキスト「建築・装飾・家具の歴史」、Wikipedia、地球の歩き方「ローマ」、塩野七海「緋色のローマ」