滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』のスピーチが記憶に新しいところですが、スピーチをする人ではなく、スピーチ原稿を書き、アドバイスをする人に焦点をあてた小説
今年一番、出会えて嬉しかった本かもしれません。
原田マハさんの
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お菓子メーカーに勤めるOLが、結婚式のスピーチで心を奪われた女性に弟子入りし、スピーチライターという仕事を志し、選挙演説を通して一時代を築いていこうとする物語。
とにかく出てくる人出てくる人、とても魅力的なのが、この小説のもっとも面白い点。
人を深く思いやることのできる人は、そんなに多くない。その思いやりを、心に届く言葉で表現できる人は、もっと少ない。
それをやってのける人は、すさまじく魅力的。そういう小説です。
心に残る、つらいときにききたい言葉が本当にたくさんあったのですが、
中に、『うまれかわっても、あなたの母親になりたい』というフレーズがあって、あぁいつか娘にいってあげよう。と思っています
日頃、政治に熱心な方ではないけれど、彼女がスピーチライターとしての面白さをどんどん見つけていくとともに展開されていく、「その時代を動かす」、という選挙の局面も非常にドラマチックでよかった
選挙つながりで、三島由紀夫のこちらの本も、人間の本性がライトに描き出されていて、個人的に好きです。久しぶりに読みたくなりました
- 宴のあと (新潮文庫)/新潮社
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