
1500年頃に活躍したドイツの版画家。
「宗教・肖像・自然」をテーマにしたといわれ、精緻なタッチと
視覚的な構図で、びっくりするくらい臨場感がありました。
特に、宗教的に重要な場面を扱った連作では
多くの人物が同時に小さな画面に描きこまれ
複数の重なり合った物語があるようです。
他方、その技量をもっている彼が描く余白の多い絵は
光がさしているようでとても美しく、
「バッタのいる聖家族(下図)」では柔らかな表情により
えもいわれぬ神聖さが表現されています。
「ネメシス(運命の女神)」の厳かな表情。
購入した本によると、諸説あるようですが、
「無限の問いに向き合う醒めた眼差し」そのものです。
1/16までなので、ご興味のある方はお早めに

(番外編)
入り口にあったこれはペンと水彩画による「受胎告知」
版画のすばらしさはさることながら、
温かみのあるタッチが美しい作品でした。
