
土曜に降りしきっていた雨がやんで、朝起きたら小鳥のさえずり。
これは、まさに美術館日和。
田園調布からバスが出ていたので、
駅前のカイザーでブランチにぴったりのクロックマダムをいただき、
パリからスイスへ


実は、展覧会最終日前日という駆け込み方でしたが、
どうしても見たい絵がありました。
それは、アンリ・ルソーの「赤ん坊のお祝い!」

以前、日経の最終面の美術コラムで見て以来、ずっと気になっていた絵。
そのコラムが非常によく、黒井 千次氏がこう書いています。
「どう見てもこの絵の真ん中に立つ子供は〈赤ん坊〉ではない。(中略)
うっかりしたことは話しかけられない。(中略)
ふと足を運んだ公園の樹の下でこんな子供に出会っても言葉を交わしたくはなるまい。
逃げるように遠ざかりながら、幾度も振り返って見ずにいられぬ気にかかる子供。」
独学で絵を学んだという素朴派の画家ということをいまさら知ったのですが、
特に芝や木のタッチには几帳面さがでていて、かえって愛らしいほど。
子供だって、凛とした顔つきで肉付きは幼い様子をよくあらわしています。
なのに、この赤ん坊は全然愛らしくない。
帰って夢に見そうなシュールなインパクト。
でも、本来子供はそうあるものなのかもしれない、と思わされます。
子供が最も毅然としているというのは、江国 香織さんの持論ですが、
子供には子供の世界がある。
美術館でも、この絵の前にだけ子供が沢山いて
くいつくようにこの絵を見ていて、同じようにこの絵に何度も振り返ってしまった
私も他の大人も、きっと同じ時代を持っていたのだと思う。