「俺、一橋受かったわ」
とのたまった真意を息子に聞きました。
「一橋に特化した勉強の成果の結実」とな。
一橋はかなり癖のある出題傾向があり、
それはここ十年もしくはそれ以上変わることなく、
ほぼパターンが決まっている。
息子は他校の対策を一切せずに、
一橋一本で傾向と対策に明け暮れていた、というのだ。
「でも、英語は?英語も大丈夫だったの?」
息子はこの6年、英語は常に赤点を取り続けた男である。
他が出来たとしても、英語はそうは行かない!
そしたら、こう言うではないか。
「それが不思議なんだけど、英語の時だけ
なんか天からフワフワァ~と降りてきたんだよね。
いつもなら解けないはずの問題が
なんか知らんけど、その時は解けたんだよ」
そ、それはもしかして!
谷保天満宮の神さん、やないかぁ?!
東京の三大学問の神様の一つの
くしくも一橋大学のもう一つの最寄り駅、
JR南武線、谷保駅にある、アノ!
アタシが合格祈願に行って、お守りを買ってきた、アノ!
そうだ、きっとそうに違いない!
いつもは5円玉しかれないお賽銭を千円札に替えたご利益!
受かった暁には、必ずお礼参りに来て
合格絵馬を奉納します!と固く誓ったアノ!
いや待てぃ!
何があるのか分からないのが受験だ。
そうは言っても落ちてたら、ショックがデカすぎる!
ここはやっぱり、落ちているを前提に動くのが賢明。
「お前の言い分はよく分かった。
でもでも、とりあえず横国対策はしておこう。
とりあえず、スマホを置け」
かくして渋る息子を再び机に向かわせる千代であった。
つづく