『嫌いな物を無理やり食べても身に付かない』



というのが我が家の暗黙のルールである。



父も母も、兄とアタシと弟に対して、決して無理強いして食べさせたことはなかった。



ま、商売が忙しく、子供の栄養に気を配るヒマなど無かったから、なんだけど。



で、兄は立派な偏食家となり、



アタシは兄の嫌いな物を平らげる役割だったからか、何でも食べられる子になり、



弟も兄同様の偏食家だったのだけど、大人になってからハマった奇食が功を奏して、結構何でもイケるようになった。



野菜嫌いの魚嫌い、唐揚げとチョコしか食べないらしい体操の内村くんなんて見てると、偏食が健康に悪いなんていうのはただの迷信だと思わずにはいられないわけよ。



で、そんなアタシが母親になって、息子には好きな物を思いっきり食べさせてきた。



野菜嫌い、魚嫌い、なんてコトもなく、いっぱい食べる子に育ったと思っていたんだけど。



給食が始まって、そうじゃないコトが判明。



「コレ、何?」っていうものは食べられないらしく



ほとんど残すことが多いとな。



『時間内に食べる』だった目標が、ここ最近は『残さず食べる』にシフトチェンジ。



掃除が始まっても食べているコトが分かって



いささかショックを受けたのだ。



「他にも居たの?食べてた人」



「ううん、ボク一人・・」



で、我が家の平日の夕食は、給食メニューに変更することに。



ワンプレートに三種のおかず、吸い物、ごはん。



いつもならガツガツ食べる息子の箸が進みません。



「今日のごはんも給食なの?」ユーウツそうな息子の顔。



息子よ、母だって好きな物を腹いっぱい食わしてやりたいのだ。



でも、皆が掃除している埃っぽい教室の隅っこで一人食べ続けているのを想像したら・・・



息子の修行は続きます。