結局、おつかい熱が一向に冷めないので、息子をおつかいに出すことにした。
「レタス買ってきて」
小銭入れに100円
だけ入れて、息子を見送る。
と言いながら、数秒後には、後を尾けるため、私も家を出る。
息子は、言いつけ通りに交差点では左右確認をし、
道は隅っこを歩き、通り過ぎる車を壁に背を付けやり過ごしている。
(なんだ、アイツ。やれば出来るじゃん・・)
母の呟きをよそに、息子は後ろを振り返ることなく、淡々と歩いている。
歩いて3分のスーパーに着くと、息子はいつもの子供用カートを押しながら、
何の迷いもなく野菜コーナーへ向かった。
(ところで・・アイツ、レタス分かるんかいな・・)
母の不安をよそに、息子はピタリとレタスの前で止まった。![]()
しかしそこは、本日の広告の品、レタス98円。
補充のため、店員がワゴンから積み上げている最中。
手に取ろうにも、5歳児ではなかなか難しいようだ。
まごまごしていると、気付いた店員に促され、やっと商品を手にする息子。
カートを押し、すぐさまレジに向かう様子。
万引きGメンのごとく商品棚に身を隠していた母は、慌てて身を翻しているところを、ママ友Eちゃん親子に見つかった。
軽く事情を説明し、息子を見送る3人。
すると、レジに向かったはずの息子が、なぜかカートを押し、出入り口へ向うではないか。
(まさか・・5才にして万引きする気か・・?!)
もはや、Eちゃん親子と微笑ましく見ている場合ではなかった。
息子のもとに急行する母。
「ちょっと、お金払わなきゃダメでしょ!」
突然の登場に驚く息子。
「お母さん!どうしてお母さんがいるの?」
「まだ払ってないでしょ?」
「違うよ。カゴ忘れたから取りに来たの。今から買うんだよ」
見ると、カゴにレタスを入れ替えているではないか。
(アイタタタタタ・・やってもた・・)
「なんでお母さん来たの?」
「エッ?!あ・・お母さん、Eちゃんに用があって・・」
「Eちゃん?あ、Eちゃん、Eちゃんママこんにちは」
「あ、じゃぁお母さん帰るね・・気を付けてね」
Eちゃんママにアイコンタクトを送り、スーパーを出る。
家に戻っても落ち着かないので、ベランダで待つことにした。![]()
すると、直線の道路を相変わらずマイペースで歩く、息子が見えた。![]()
そこへ、Tちゃん親子と出くわした。
「ぼく、一人で買い物に行って来たんだよ!」![]()
「エェー!すごいじゃん!!」
「うん!じゃあねー、バイバーイ」
丸聞こえである。
しかも自信満々。
ベランダの母を見つけると、
「ただいまー!オートロック開けてね」
と、部屋番号も間違えず、息子は無事帰還した。
エコバッグには、立派なレタス。

ポイントカードにはちゃんとスタンプ。

サイフにはしっかり2円。
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ちょっとジーンときたぜ。